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今さら聞けない!? ルイ・ヴィトンのモノグラムとダミエの歴史

今さら聞けない!? ルイ・ヴィトンのモノグラムとダミエの歴史

「ファッションブランドといえば」と聞かれるとエルメス、シャネルなどに並んで挙がることの多いルイ・ヴィトン。

フランスの老舗として、数あるブランドの中でも特に知名度の高いブランドですが、誰もが知っているブランドだからこそ今さら周りに聞けないことってありますよね。

そういったことを『今さら聞けないシリーズ』と題して書きたいと思います。

「ブランド品はいくつか持っているけど、実はあまり背景を知らないのよね…」という方に向けて
知っていると得をするかもな内容を綴っていきますので、お付き合いいただけましたら幸いです。

ルイ・ヴィトンの大人気ライン

今回はルイ・ヴィトンが好きな人なら誰もが知っている二つのラインである、
モノグラムとダミエについてのルーツを書いていきます。

モノグラムとは

モノグラム

モノグラム・ライン。

今やルイ・ヴィトンの象徴ともいえる大人気ラインです。

このラインは当店でもお買取りさせていただいたり、ご購入いただく機会がとても多くございます。
バッグから財布、キーケースまで幅広く展開されていますよね。

英語のモノグラム(Monogram)は「組み合わせた文字」という意味です。

言葉通り、創業者であるルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は自分の名前の頭文字の「L」と「V」を重ねてロゴマークを作りました。

そのロゴマークをモノグラムと呼び、星や花のモチーフと組み合わせたものが「モノグラム・ライン」です。

ダミエとは

ダミエ

ダミエ・キャンバス。

特徴的な模様は、誰もが知っている定番柄です。

ルイ・ヴィトンの象徴たるモノグラム・キャンバスと二分し、人気を博しているのがこのダミエ・キャンバスです。
落ち着いた印象を与え、男女問わず圧倒的な支持を得ています。

お馴染みのダミエ・キャンバスをはじめ、華々しい印象のダミエ・アズールキャンバス、きりっとしたカラーリングで人気のミエ・グラファイトキャンバスなど、様々に展開されていますね。

日本人から見てもとても親しみやすいラインなのではと思います。

(最近では街を歩いていると緑と黒の市松模様の商品をよく見かけますが、あの模様を見るたびにダミエがよぎってしまう私がいます…)

どっちが先に誕生した?

創業者のイニシャルをロゴマークにした柄だし、象徴として君臨しているのだから…モノグラムが先なんじゃないの?

そう思いますよね。

ところが!

実はモノグラムより先に誕生したのはダミエなんです。

パリ

モノグラム・キャンバスは創業してからおよそ40年経った1896年に誕生しました。

ルイ・ヴィトンの長男 ジョルジュ・ヴィトンが2代目として跡を継ぎ、ルイ・ヴィトンが他界した4年後のことです。

その後、1959年に生地がトアル地に変わったことで、現在のモノグラム・キャンバスの素材となりました。

対して、ダミエ・キャンバスが誕生したのは1888年

ルイ・ヴィトンと息子であるジョルジュ・ヴィトンが考案し、
その翌年1889年にパリ万国博覧会の出展品として公の場に披露され、観衆の目を惹きつけました。

余談ですが、ダミエ・キャンバスと同じ年に誕生した有名な建造物があります。

フランス パリの象徴ともいうべきエッフェル塔です。
エッフェル塔と同級生とは、なんだか壮大なスケールのような心地がしてきますね。

モノグラムとダミエの共通点とは?

モノグラムとダミエの共通点。

それはどちらもルーツは「日本文化」だと言われている点です。

モノグラムは日本の家紋から。
ダミエは日本の市松模様から。

フランスと日本。距離にして9,844㎞。
こんなに離れているのになぜ日本文化からヒントを得ることになったのでしょうか。

その答えはパリで開催された万国博覧会にありました。

パリ万国博覧会

万国博覧会

1867年、フランスのパリで行われた万国博覧会には日本の伝統工芸品や美術品も出展されていました。

当時の日本は幕末の世。

長く国を閉ざしていた日本の文化は世界にとってとても新鮮で、出展品は大いに注目を集めることになります。

それ以来、刺激を受けたヨーロッパの芸術家たちの中には、自らのアートの中に日本のエッセンスを盛り込む者も出ました。

こういった現象を美術用語ではジャポニズムといいますが、要するに「日本ブーム」というものが起きたのです。

ルイ・ヴィトン、ジョルジュ・ヴィトンもこのジャポニズムの影響を受け、モノグラム、ダミエの2つのラインの誕生へと繋がっていったと言われています。

モノグラム、ダミエの誕生

日本

万国博覧会に出展されていた品物の中には家紋があしらわれたものがありました。

それを目にしたルイ・ヴィトンの関係者がひらめき、紆余曲折を経て誕生したのがモノグラム・ラインだという説があります。

モノグラム・ラインが誕生した1896年はルイ・ヴィトン社の黄金時代といわれる時期の真っただ中であり、このラインの登場によってルイ・ヴィトン社の人気・知名度はさらに飛躍することになります。

ダミエは日本で生まれた市松模様からヒントを得て作成されたものとも言われています。

誕生した当時はこのダミエに似せた商品、いわゆる偽物が次々に登場したそうです。

そのため、1889年にはジョルジュ・ヴィトンによって商標登録されたと言われています。

ダミエがパリ万国博覧会で金賞を受賞

万国博覧会は1889年に再びパリで開催されます。

1851年にロンドンで初開催されて以降、万国博覧会では出展品に勲章を与えるということをしており、
ここで賞を獲ることは大きな価値がありました。

出展する企業は金賞を獲得することを目指し、日々の研鑽に励んでいたのです。

もちろん、フランスの1ブランド企業であるルイ・ヴィトン社も例外ではありません。

パリ万博に幾度も出展し、1889年に出品したダミエ・ラインでついに金賞を受賞します。

残念ながら創業者のルイ・ヴィトンはこの世を去った後のことですが、
こうして受賞をしたことで、企業としてルイ・ヴィトン社はさらに知名度と名声を得ていくこととなります。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

ルイ・ヴィトンのモノグラムとダミエの誕生についてざっと書かせていただきました。

形やカラー、素材、柄など、見た目から入ってくる情報はすぐにわかりますが、そのブランドの歴史を知る機会って、実はあまりなかったりしますよね。

歴史を知ると親近感がわきますし、好きなブランドであればさらに好きになります。

また、諸説ではありますが、世界の名だたるブランドのアイテムに日本のエッセンスが投影されているというのは、とても嬉しいものですね。

いま日本にある文化も大切にしていきたいですね。

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