金のネックレスや指輪の表面に「K18」といった刻印が刻まれているのを見たことがあるでしょうか?
こうした刻印には、さまざまな情報が詰め込まれています。
これらの刻印にはどのような種類があり、刻印を通じてどのようなことが分かるのでしょうか?
今回は、金のアクセサリーに書かれている刻印の意味をご紹介します。
刻印の意味を知っておくと、資産としての価値も知ることができます。ご自宅の金を手元に用意して、刻印を見ながら読んでいただければ幸いです!
目次
そもそも金の価値が高い理由って?
金は他の金属より値段が高いイメージはありますが、なぜ金は他の金属よりも高い価格で取引されているのでしょう?
ここでは金が高い資産価値を持つ理由を解説していきます。
金の価値が高い理由1.希少性
金はその鉱石1トンに対し、わずか5g程度しか取れません。
現在、地球上に埋蔵されている金はおおよそ5トンほどしかなく、その大部分は採掘が非常に困難な場所にあります。
そのため手に入りにくく枯渇する日も近いと言われるほど、希少価値の高い金属なのです。
そもそも産出量が少ない上に産出量は年々減少傾向にあり、将来的には需要が産出量を大きく上回る可能性が高いとされています。
こういった背景もあって、2020東京五輪で選手に贈呈されたメダルは、携帯電話の部品に使われている金を集めて作られたことが話題になりましたね。
金の価値が高い理由2.汎用性
金は青色の光のみを吸収し、その他の色の光を反射するという特性があります。この特性こそが、他の金属にはないあの輝きを生んでいます。
美しい輝きを放つ金は、ネックレス・リング・ピアスなどありとあらゆるアクセサリーに使用され、長きに渡って愛され続けています。
金が数多くのアクセサリーに使用されているのは、その輝きだけが理由ではありません。
他の金属と比べ酸化しにくい金は、変色やサビなどの経年劣化が少なく、美しさが損なわれないことも大きな魅力です。
また、その加工のしやすさも金が広く利用されている理由として挙げられます。
金箔のように薄く延ばすこともでき、融解性も高いため他の金属と配合した合金としても、さまざまな用途で使われています。
金の価値が高い理由3.流動性
流動性とは、その取引のしやすさ、つまりは現金化のしやすさのことを言います。
金は現金が必要になれば、いつでもどこでも換金することができますし、国内に限らず世界中で通用する価値を持っています。
株式や債券などとは違い、国の情勢や企業の経営状況で価値がなくなってしまうようなリスクがないのです。
日々多少の相場変動はあるものの、手元に残しておきさえすれば、金そのものの価値がなくなってしまうことはありません。
この流動性の高さも金の価値を高める1つの特性であると言えます。
金のアクセサリーに書かれている刻印とは?
金のネックレスや指輪などのアクセサリーに刻まれている文字を「刻印」と呼びます。
金の含有量や素材など、品質に関する製品情報が示されているため、プレゼントなどでもらったものでも、刻印を見ればどういった材質なのか判断することができます。
純粋な金はアクセサリーとして加工するには、柔らかすぎて耐久性に欠けるため、他の金属を加えて強度を高めた状態で加工するのが一般的です。
そのためアクセサリーとして加工された金の品質については、誰もが一目で分かるように刻印によって表示されています。
ちなみに、金などの貴金属に必ず刻印を入れなければならない法的ルールはありませんが、虚偽の情報を刻印に記した場合、詐欺罪に該当します。
金の刻印その1.K24|純金含有率は24分率表示【純金の証】
「K」のアルファベットは「カラット(Karat)」を省略した記号で、Kの後の数字が金の純度を示しています。
金の純度の表示には、あまり馴染みのない24分率の重量比率が使われています。
「K24」であれば、金の純度が24分の24、つまりほぼ100%に近い純金であるという表示です。
金そのものは非常に柔らかい素材であるため、K24のみでできたアクセサリーは少なく、強度が必要なアクセサリーには他の金属を混ぜ合わせた合金が主に使われています。
金の刻印その2.K18|刻印から分かること【混合物の成分】
それでは、「K18WG」と刻印されたアクセサリーを例に、刻印から読み取れる情報についてご説明しましょう。
「K18」の「K」の文字は、カラット(Karat)の頭文字。「18」が金の純度を示しています。
金の純度は24分率で表示するため、「18」なら24分の18ということになり、100分率に換算すると75%です。「K18」からは「純金75%、その他25%」ということが分かります。
「WG」という文字は「その他25%」の内容を表しています。「WG」はホワイトゴールド(White Gold)の略であり、ホワイトゴールドを作り出すのに必要な銀・ニッケル・パラジウムが「その他25%」に含まれていることを表します。
つまり、「K18WG」と刻印されたアクセサリーは「ホワイトゴールド:純金75%、混合物(銀・ニッケル・パラジウム)25%」でできているアクセサリーだと判断できるのです。
似たようなパターンを挙げると、「K10PG」は「ピンクゴールド:純金42%、混合物(純銀・純銅)58%」。
「K22YG」は「イエローゴールド:純金91.7%、純銀・混合物(純銀・純銅)8.3%」となります。
金の刻印その3.K18GP・K18GF|その他の刻印【メッキ】
刻印の中には「GP」「GF」などと表記されたものがありますが、これらは「WG」のように混合物の内容を表示しているわけではありません。
「GP」はゴールドプレート(Gold Plated)の略で、「金メッキ」を表します。表面だけ金でメッキ加工されており、中身は銀や真鍮(しんちゅう)で作られている場合がほとんどです。
「GF」はゴールドフィルド(Gold Filled)の略で、「金張り」を表します。メッキよりも厚い層でコーティングされており、剥がれにくさが特徴です。
つまり、「K18GP」は「純金75%の金メッキ」、「K18GF」は「純金75%の金張り」ということが分かります。
「18K」と表記されていても、コーティング以外に純金は含まれないため注意しましょう。金メッキのコーティングの厚みは、わずか数マイクロメートルと非常に薄く、時間の経過とともにメッキが剥がれたり、傷が付いたりしてしまうことも少なくありません。
このほかにもさまざまな表示がありますが、実際の中身は価値の低い金属であったり、貴金属としての価値がほとんどないケースもあるため、購入の際には必ず刻印を確認するようにしましょう。
金の刻印についてのまとめ
- 金が高い資産価値を持つのには理由がある
- >刻印の意味を知れば金の資産価値が分かる
今回は、金のアクセサリーに書かれている刻印の意味をご紹介しました。刻印は、素材・純度・ブランド名など、重要な情報を残すために施されます。
きちんと刻印の意味と金の価値を知っていれば「どの程度の純度なのか」「何が混ざっているのか」を購入時に知ることができます。
日本では虚偽の刻印を施すことは詐欺罪に当たるため、刻印の入っているものなら自分の目で金の価値を確かめることで安心して取引ができるはずです。
刻印は信頼の証ともいえますが、本物の金でできたアクセサリーであっても刻印がないものも存在します。
ご自宅に刻印のないアクセサリーがある場合は、専門家に鑑定を依頼してみても良いかもしれません。
「長年使っていない金のアクセサリーがあるな・・・」「インゴットや金貨があるけど売ったらいくらになるんだろう?」という方は、ぜひ一度ギャラリーレアにお問い合わせください!