アクセサリーの価値は、その材質と純度によって大きく異なります。
しかし、同じように作られた白銀色のアクセサリーを見ただけでは、どのような金属でできているか判断することは素人目には難しいでしょう。
価値のあるアクセサリーには、材質と純度が刻印されています。
例えば、「SLV○○」「SILVER○○」とあれば銀、「K○○WG」とあればホワイトゴールド、「Pt○○」とあればプラチナです。
刻印の意味や純度を知ることでアクセサリー選びの参考にしていただけると幸いです。
それでは、今回はプラチナの純度と選び方についてご紹介します。
目次
そもそもプラチナとは?
プラチナという言葉は知っていてもどんな素材かわからないですよね。
まずはプラチナの基礎について解説していきます。
プラチナとは日本語で「白金」と呼ばれる金属です。
白い金というとホワイトゴールドをイメージしますが、全く別ものです。
また、プラチナはレアメタルと呼ばれる希少価値の高い金属で、その採掘量は金の20分の1程度と言われています。
プラチナと金の違い
1.採掘量の違い
プラチナと金の年間採掘量には大きな違いがあります。
金………3,000トン
プラチナ…200トン
数字だけ見ても採掘量に大きな違いがありプラチナの希少性がわかりますよね。
また、プラチナは1トンの鉱石から3g(=小ぶりな指輪)しか生産することができません。
2.色の違い
金とプラチナは見た目の色も違います。
金……………金色
プラチナ…白銀色
プラチナは素材そのものが白く輝いており重厚感あふれる色味です。
金は金色がベースの金属ですが、混合物を変えることで、色を変化させることができます。
プラチナと間違えやすいホワイトゴールドは金に白い混合物を加えることでできた合成金属です。
プラチナの場合には純度が高ければ高いほど重厚感が増し結婚指輪に人気があります。
「Pt○○」は純度を表している
プラチナの純度は、百分率ではなく千分率(パーミル=‰)で表すと決められています。
日本ジュエリー協会では、「Pt850」以上をプラチナジュエリーと呼んでおり、一般的には「Pt850」「Pt900」「Pt950」「Pt1000」の4区分で刻印されます。
見慣れたパーセンテージに直すと、85%、90%、95%、100%となり、少なくとも85%以上の含有率が求められていることが分かるでしょう。
したがって、Pt850とPt900の基本的な違いは、プラチナの含有率ということになります。
純粋なプラチナは黒みがかっているため、白色の同族金属であるパラジウム(Pd)を配合し、美しい白銀色に仕上げているのです。
純度別の特性と価値
一口に「プラチナ」と言っても、その純度によって特性や価値に大きな差があります。
ここからは純度別に特性と価値について解説していきます。
《Pt999》純プラチナ
純金と同じく純プラチナが存在します。
Pt999と表記されているのは純度100%のプラチナは技術的に不可能なためです。
2012年より前の刻印はPt1000と表記されていましたが、Pt999と表記されていても価値は同じです。
純プラチナは非常に柔らかく傷つきやすいのが特徴で、普段身につけるジュエリーには不向きです。
また、非常に高価なため資産として購入する選択もあります。
《Pt950》純度の国際基準
日本では「Pt850」以上をプラチナジュエリーと呼んでいますが、プラチナの国際基準はPt950以上になります。
プラチナは純度が高くなるほど柔らかく傷つきやすいです。
海外のティファニーやカルティエ、ハリー・ウィンストンなどのブランドは国際基準のPt950で作られているため、海外ブランド品のプラチナ製品を購入される際には取り扱いに注意しましょう。
《Pt900》日本のスタンダード
Pt900は国内で作られるプラチナジュエリーの中で最もスタンダードな刻印で、デザイン性の高いファッションリングやブライダルリングなどによく使われています。
Pt900は扱いやすく、職人から見ると比較的スムーズに加工作業ができる素材です。
強度と美しさ、両方のバランスが取れた品位なので日本での流通量がもっとも多い純度のプラチナです。
《Pt850》耐久性が高く丈夫
Pt900をより硬度にしたものがPt850です。
プラチナ合金に使われる金属は、パラジウムをベースにルテニウム(Ru)やイリジウム(Ir)などを配合し、プラチナの硬さを調整することがあります。
プラチナは比重が大きいため、含有率が上がると重くなり、柔らかさや粘性も高くなっていくためです。
したがって、混合金属の多いPt850は刻印のあるプラチナジュエリーの中で最も硬く、傷つきにくい素材といわれており、ネックレスやブレスレット、チェーン類に多く使われています。
《Pt585》安価で手に入る
近頃、注目を浴びているのがこのPt585です。
大変強固で耐久性に優れているのが特徴です。
そして、純度が低い分、安価で手に入るのも特徴です。
しかし、その品位は低く資産運用や一生物のジュエリーに選ぶことはおすすめしません。
純度と買取価格の関係
貴金属の買取価格はその日の1g単価に重量を掛けた額となります。
つまり純度が高いほど、重量が重いほどに価格は上がっていくのです。
Pt850とPt900では1gあたり180~200円程度の違いがあり、宝石の有無やデザイン性(ブランド)、使用状態によっても価格は変動します。
純度別おすすめプラチナ
プラチナは純度ごとに特性が異なります。
プラチナジュエリーを選ぶ時は、その特性を知った上で好みや用途に合わせて選びましょう。
ここからはプラチナの選び方を2つ紹介していきます。
金属アレルギーの人はPt950以上がおすすめ
金属のジュエリーを購入する際に気をつけておきたいのが金属アレルギーの有無です。
プラチナは金属アレルギーを発生させる可能性が低く、純度の高いプラチナを選ぶことでアレルギー反応を防ぐことができます。
もし、金属アレルギーがある場合は、Pt950以上の高純度プラチナを選ぶか、アレルギーが発生しづらい金属で加工しているプラチナを選びましょう。
結婚指輪の主流はPt950とPt900
日本では結婚指輪や婚約指輪などブライダルリングに使われる貴金属はプラチナが主流。
プラチナがブライダルリングに使われる理由
- 花嫁の白をイメージする天然の白銀色
- 変色変質せず永遠の輝きを保つ特性
- ダイヤモンドを引き立てる控えめな輝き
これら3つの理由から日本のブライダルリングにはプラチナが使われています。
また、白色の金属としてホワイトゴールドがありますが、金を元に加工して作られたものなので、プラチナほどの白さではありません。
一生物の結婚指輪、妥協せずに選びたいですよね。
プラチナの性質とお手入れ
プラチナは希少価値の高い金属で、科学的に見ても非常に安定した性質を持っています。
酸化しにくいこと、融点が高いこと、単体の強酸・強アルカリにも侵食されないことから、工業用品にも多く用いられる素材です。
したがって、プラチナの加工品が日常生活で変色・変質することはまずありません。
とはいえ、アクセサリーは地肌に着けるもののため、汗や皮脂、化粧品などの汚れがつくこともあります。
プラチナは「外したら拭く」「汚れたら洗う」ことを心掛けましょう。
普段は軽く拭き取るだけで良いのですが、くもりが出てきたら中性洗剤と柔らかい歯ブラシでやさしく磨き、水ですすいでから柔らかい布で拭いてください。
価値と特性を知り後悔のないアクセサリー選びを
プラチナは純度によって特性と価値が大きく変わってきます。
末永く愛用できるプラチナジュエリーを購入の際は、後悔のない選択をしたいですよね。
プラチナの純度ごとの特性を知り、後悔のないジュエリー選びをしましょう。