名だたる名門がひしめくスイス時計業界にあって、最も高貴なウォッチメゾンといえば、やはりパテック フィリップ。
技術者を育成し、プロダクトの質を高め、常に納得がいくものだけを販売すること、国際的なメンテナンス体制を維持し拡大していくこと……これらのパテック フィリップの姿勢は時計に憧れを抱く人を引きつけてやみません。
今回は、そんなパテック フィリップの時計の中から、ドレスウォッチを5つご紹介します。
「コンプリケーション クロノグラフ」(5170J-001)
コンプリケーション クロノグラフは、イエローゴールドに輝く細ベゼルに、シンプルながらも抜群の視認性を誇るインデックスが特徴的なモデルです。
搭載されたムーブメントは、水平クラッチに秒針と30分積算計を備えた手巻きのクロノグラフムーブメント、CH29-535 PS。古典的な意匠を残したムーブメントといわれますが、パテック フィリップが特許を取得した歯型曲線が使用されており、これによってクロノ秒針の針飛びといった不具合を防いでいます。
古き良きエレガントさを残しつつも、開発時の最新技術を盛り込んだプロダクトといえるでしょう。
「ゴンドーロ」(5024G-010)
パテック フィリップのトノー型やレクタンギュラーなど、ラウンドケース以外のコレクションをゴンドーロと呼びますが、5024G-010はアールデコの影響を強く受けた時代のレクタンギュラーケースにインスピレーションを得て製作されたもの。
文字盤に配置された大きなブレゲ数字のアワーマーカーは、丸形のスモールセコンドのインダイヤルとともに、この時計に程よいモダンテイストを与えています。
「カラトラバ」(5123R-001)
パテック フィリップのシンプルなラウンドケースのコレクションがカラトラバ。そのすべてが普遍的で完成度の高いバランス感覚によってデザインされていることが大きな特徴です。
そんなカラトラバのコレクションにあって異彩を放っているのが、この2012年に発表されたRef.5123Rでしょう。
極端に短く角度を付けたラグと、傾斜を持つ細いベゼルによって独特の立体感を醸し出す、1950年代のデザインをモデルとしたカラトラバです。
バーインデックスに対して太めにデザインされたドルフィン型長短針、そしてローズゴールドのケースとシルバーダイヤルが描く絶妙なコントラストが美しいドレスウォッチです。
「アニュアルカレンダー」(5146J)
2月末以外のカレンダーの修正を不要としたアニュアルカレンダーにおいて、パテック フィリップは独自の輪列配置を取り入れ、実用性の高い機構を開発しました。
そして今日の多様なバリエーションにつながっていますが、1990年代初出のRef.5035辺りに始まるその系譜において、このRef.5146はその独自のレイアウトを引き継いだ正当な後継機ということができるでしょう。
アニュアルカレンダーに加えてパワーリザーブ表示、ムーンフェイズ表示を備えるこのプロダクトは、デイリーウォッチとしても十分に使用可能といえるだけのタフネスを兼ね備えています。
直径39㎜の少々大ぶりなイエローゴールドのケースと絶妙なマッチングを見せるアイボリーダイヤル、そしてこれらを貫くタイムレスな価値が、このRef.5146Jの大きな魅力です。
「ワールドタイム クロワゾネ」(5131J-001)
パテック フィリップの伝統的なコンプリケーションモデルとして人気の高いワールドタイム。
ここにご紹介するのは、クロワゾネ七宝(有線七宝)によって世界地図を描いた文字盤を採用した、極めて高い希少性を誇るユニークピースです。
伝統的な製法で忠実に製作されるクロワゾネ七宝は、完全な手作業。有能な技術者をもってしても歩留まり(生産された製品から、不良品を除いた割合)は非常に低いといわれており、万人の想像をはるかに絶する労力が注ぎ込まれているといいます。
まさに、パテック フィリップならではの真のラグジュアリーウォッチということができるでしょう。
おわりに
世界の高級時計メゾンの中でも最高峰とたたえられるパテック フィリップ。そのドレスウォッチは、どれもその名に恥じない完成度を誇っているといえるでしょう。
美しさと機能性を兼ね備えたパテック フィリップのドレスウォッチを、ぜひその手に取ってみてはいかがでしょうか?