IWCのインヂュニアは、高耐磁時計として知られるモデルです。
もともとは高い磁力にさらされるエンジニアに向けて作られたモデルでした。
IWCのフラッグシップモデルである、パイロットウォッチの「マーク11」のデザインをベースとしており、シンプルでスポーティーなデザインが特徴です。
1950年代に誕生して以来、時代とともにデザインと機能を進化させています。
以前はめずらしかった耐磁性能を強みとしていましたが、多くのブランドが高耐磁時計を販売している現在では、耐磁性だけにこだわらない多彩なラインナップを展開しています。
長い歴史を持つインヂュニアは、現在まで多くのモデルが発表されてきました。そのため「インヂュニアが気になるけれど、どれを選べばよいのかわからい」「見た目はそれほど変わらないけど、どこが違うの?」という方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、インヂュニアの魅力とおすすめのモデル7選、芸能人着用モデルなどをご紹介します。
これからインヂュニアを購入される方は、ぜひ参考にしてみてください。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」でLA部部長として勤務。業界屈指の激戦区である大阪エリアにおいて10年以上のブランド買取経験を持つ。
日本流通自主管理協会(AACD)の認定査定士として、ブランドに対する確かな知識とお客様に寄り添ったサービスを武器に第一線で活躍している。
目次
IWCのインヂュニアとは?その特徴を3つご紹介
IWCのインヂュニアの特徴を大きく3つに分けて紹介します。
IWCのインヂュニアの特徴1:高い耐磁性
この投稿をInstagramで見る
インヂュニアと言えば、磁力に強い高耐磁性時計というイメージを持つ方が多いかと思います。
インヂュニアのベースとなったモデルは、イギリス空軍に納品していた実績のあるパイロットウォッチ「マーク11」。
当時のコックピットは強い磁場が発生していたため、磁力に強い時計が必要となったことからマーク11が開発されました。
インヂュニアは、このマーク11ともとに民間用時計として開発されたモデルです。
1950年代当時の電子工学や放射線医学など、強い磁場にさらされるエンジニアに向けて発売されました。
大ぶりで無骨なデザインのパイロットウォッチから、スタイリッシュで着用しやすいデザインにアレンジしています。
もともとパイロットウォッチのマーク11をベースに開発された背景から、高い耐磁性に重きをおいたインヂュニアは、磁気に強い耐磁性時計の象徴として知られるまでに至りました。
IWCのインヂュニアの特徴2:デザインの変化
この投稿をInstagramで見る
インヂュニアは1955年に誕生して以来、基本的なスタイルは変わりませんが、時代によってデザインが少しずつ変化しています。
中でも注目は、1976年に発表されたインヂュニアSL。これは、「時計界のピカソ」と称される時計デザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏が担当したモデル。
ジェンタ氏は、オーデマピゲのロイヤルオークや、パテックフィリップのノーチラスをデザインしたことで知られています。
ジェンタ氏がデザインしたインヂュニアSLには、ベゼル上に5つのビスが備わっており、後にインヂュニアのアイコンとなりました。
インヂュニアSLは、ケースサイズ40mmと当時としてはかなり大ぶりで、あまりヒットしませんでした。
この後に登場したモデルからは、ケースサイズが34mmと小さくなっています。
2000年以降は再び大きめのケースサイズとなっており、デザインも時代によって変わっているため、自分の好みのモデルを探すことができます。
IWCのインヂュニアの特徴3:コストパフォーマンス
この投稿をInstagramで見る
インヂュニアはコストパフォーマンスに優れているのもポイントです。
高耐磁性に加え、優れた耐久性と防水性を備えているにもかかわらず、ベーシックなモデルなら50万円台で入手できます。
IWCというスイスの一流ブランドで、高スペックでありながらこの価格帯は、かなりお買い得と言えます。
他のブランドの高耐磁性を持つモデルと比べても価格は良心的。
例えばロレックスのミルガウスは約110万円、オメガのマスタークロノメーター搭載のシーマスターは、約75万円と、いずれもインヂュニアより高額です。
また、アンティークウォッチも同様にお手頃な価格帯となっています。今後値上がりが予想される希少モデルが、手に入れやすい価格で販売されていることも。
「一流時計のブランドを少しでも価格を抑えて入手したい」という方はもちろん、アンティークウォッチが好きな方も狙い目のモデルです。
IWCインヂュニアの人気モデル7選!
IWCインヂュニアの人気おすすめモデルを7つ紹介します。
IWCインヂュニアのおすすめモデル1:ミッドサイズ
IWCのミッドサイズは、34mmの小ぶりなサイズ感が特徴のモデル。40mm前後の大きめのサイズ感が多いIWCの中でも、とくに小さいサイズで男女問わず着用しやすくなっています。
1980年代~2000年代初頭までは、34mmの小ぶりなケースサイズのモデルもラインナップされていましたが、2000年頃からは40mmに近い大ぶりなサイズが主流になっていきます。
そんな中でミッドサイズは、以前の小ぶりなサイズへと回帰しました。
さらにデザインも、ジェラルド・ジェンタ氏がデザインしたインヂュニアSLを想起させるケースとなっています。
文字盤には格子状のギョーシエ加工が施され、インデックスと針には夜光塗料が塗られており、暗闇でも優れた視認性を発揮します。
ねじ込み式リューズによって防水性も確保。シンプルな見た目ながら優れた機能性を有しているモデルです。
インヂュニアのミッドサイズは、既に生産が終了している上、もともとの生産数が少なく今後値上がりが予想されています。
小さめの時計が好みの方や女性の方はもちろん、今後の値上がりも踏まえて時計を選びたい方におすすめです。
IWCインヂュニアのおすすめモデル2:クロノグラフ
インヂュニア クロノグラフは、現行のインヂュニアの中でもとくに人気の高いモデルです。
近年のインヂュニアは「耐磁時計」という枠を超えて、モダンなスポーツ時計へと舵を切っています。
この方針転換には、オーデマピゲのロイヤルオーク、パテックフィリップのノーチラスなど、ラグジュアリースポーツウォッチの人気高騰が影響していると考えられます。
インヂュニアは、ロイヤルオーク、ノーチラスをデザインしたジェラルド・ジェンタ氏がデザインしたこともあり、人気の高まっているラグスポに寄せたデザインを相性が良いという強みもあります。
そんなスポーツウォッチの中でもとくに絶大な人気を誇るのが、クロノグラフ。スポーティーかつメカニカルなデザインで、時計愛好家の心をくすぐります。
さらにインヂュニアは「エンジニアのために機能を追求してきた」という背景もあり、時計のみならずメカ全般が好きという方からも高い支持を集めています。
IWCインヂュニアのおすすめモデル3:ローレウス IW323909
IWCは、リシュモンやダイムラ―によって設立された非営利団体の「ローレウス財団」が毎年開催している「ローレウス・ワールド・スポーツマン・アワード」に参加しており、それを記念した限定モデルを発売しています。
こちらの「IW323909」は2015年に1500本限定で発売されたもので、希望を象徴するブルーの文字盤が採用されています。
裏蓋には、絵画コンテストで最優秀賞に輝いたウガンダ出身の少女の絵が刻印されており、ケースとベルトがつながったようなフォルムは、ラグスポを想起させます。
スポーティーでありながら、ビジネススーツやフォーマルファッションにもあわせやすい魅力的な1本です。
あまり見かけることのない希少モデルなので、見かけたらすぐに購入することをおすすめします。
IWCインヂュニアのおすすめモデル4:オートマティック IW323902
インヂュニアのもっともスタンダードなモデルです。
2017年にリニューアルし大きくデザインが変わりますが、こちらは2013年ごろから発売されていたリニューアル前のインヂュニア。
ジェラルド・ジェンタ氏が生み出したインヂュニアSLにインスピレーションを受けたデザインが特徴です。
5つのベゼル上のビスと、ラグスポを思わせるベルトまでの流れるようなラインに目を惹かれます。
40mmのケースサイズとスポーティーな見た目、そしてケースガードや高耐磁性など、実用に十分なスペックを備えているのも魅力。
発売期間が短いこともあり、生産数はそれほど多くありません。ラグスポのデザインが好きな方や、スポーティーな時計が好きな方におすすめです。
IWCインヂュニアのおすすめモデル5:オートマチック 2017年新作
2017年にリニューアルした新作のインヂュニア オートマティックです。
これまでのインヂュニアは、ジェラルド・ジェンタ氏がデザインしたインヂュニアSLをベースにしていましたが、こちらのインヂュニアオートマティックは、初代モデルの「Ref:666」をベースにしています。
インヂュニアのアイコンであったベゼルの5つのビスがなくなり、すっきりしたラウンド型が印象的なデザインへと変わっています。
全体的にはシンプルな印象がありますが、角張った針やインデックス、細かいミニッツサークルなどディテールにはメカニカルな意匠が採用されています。
インヂュニアオートマティックは、ステンレスベルトが人気でしたが、新作モデルではドレッシーな雰囲気が魅力の革ベルトも人気を集めています。
これまでのインヂュニアオートマティックよりもドレッシーな印象が強いので、ドレスウォッチが好みの方におすすめのモデルです。
IWCインヂュニアのおすすめモデル6:ビッグ・インヂュニア
ケースサイズ45.5mmの大きなサイズ感が特徴のインヂュニアです。
大きく分けて、ビッグ・インヂュニア クロノグラフと、ビッグ・インヂュニア 7デイズの2種類が展開されています。
ビッグ・インヂュニア クロノグラフには、通常のインヂュニアシリーズにはないリューズガードが搭載され、一体感のあるケースフォルムとなっています。
ビッグ・インヂュニア 7デイズは、7日間のパワーリザーブを備えたムーブメントを搭載しています。インヂュニアでありながら、耐磁性インナーケースを備えておらず、シースルーになった裏蓋からはムーブメントが鑑賞できます。
「大きめの時計が好み」という方はもちろん、「シースルーバックのインヂュニアがほしい」という方にもおすすめのモデルです。
IWCインヂュニアのおすすめモデル7:AMG
メルセデス・ベンツのハイスペックブランド、AMGとコラボレーションしたインヂュニアです。
IWCが、新たにモータースポーツと関わるきっかけとなったモデル。
メルセデス・ベンツはドイツの自動車メーカーで、その「ものづくりにおける妥協のない姿勢」は、IWCと共通しています。それもそのはず、IWCが本社を置くシャフハウゼンは、スイスの中でもドイツにほど近いドイツ語圏で、ドイツの特徴である堅実なものづくりに大きく影響を受けているのです。
現在でもIWCとメルセデスAMGとのパートナーシップは続いており、インヂュニアだけでなくパイロットウォッチからも、コラボレーションモデルが発表されています。
特徴は、セラミックやグレード5のチタン、カーボンファイバー素材などの、自動車製造でも使われる素材を採用していること。
耐久性に優れた素材と、スポーティーな外観が印象的な、特別感のあるインヂュニアです。
IWCのインヂュニアを中古で買うならおすすめはどこ?
IWCのインヂュニアは現在では生産が終了したモデルも多く、気に入った時計が正規店では入手できないということもあります。
そういった場合に利用したいのが、中古の時計販売店です。中古の時計というと、傷だらけの時計を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし実際には、ほとんど傷がない状態のものや未使用品なども数多く販売されています。
見た目の綺麗さも重要ですが、中古のインヂュニアを購入する上で、とくに注意したいのがお店選び。
IWCのインヂュニアは比較的多くの店舗で販売されていますが、価格だけで選ぶのは避けたほうが良いでしょう。
なぜなら、時計は精密機器であるため、見た目が綺麗でもきちんと動作するとは断言できないからです。
そのため、メンテナンスやアフターサービスがしっかりとした販売店を選ぶようにしましょう。
中古のインヂュニアを購入するのにとくにおすすめなのが、ギャラリーレア。
ブランド品の売買を専門に行なっているため、商品のラインナップが豊富で、メンテナンスやアフターサービスも充実しています。
全国に10箇所の店舗を展開しているのに加え、公式通販サイトでも商品を購入できますよ。
IWCのインヂュニアを買取に出すならどこがおすすめ?
現在使っているインヂュニアを買取に出して、新しい時計を購入する資金にしたいという方もいらっしゃるかと思います。
IWCのインヂュニアは中古市場でも人気が高く、高価買取が期待できるモデルの一つ。
しかしインヂュニアは歴史が長く種類も多いため、知識や経験が豊富な買取スタッフでないと、相場よりも安い価格で買取されてしまうことも。
そのため、必ずブランド時計の買取実績が豊富な買取店に、依頼するようにしましょう。
買取実績が豊富な店舗であれば、インヂュニアの相場に関する情報が多く、買取スタッフの経験も豊富なので、適正価格で買い取ってもらえる可能性が高いです。
中でもギャラリーレアは、ブランド品専門の買取店で豊富な買取実績を持っています。また独自の販売ルートを国内外に持っているため、幅広い需要を見極めて買取額を提示してくれます。
買取スタッフは、最新の相場情報を反映して査定しているため、納得のいく買取額を提示してもらえるでしょう。
店舗だけでなく宅配買取も受け付けていて、自分にあった買取方法を選べるのも魅力の一つ。LINEでの査定は無料なので、お手持ちのインヂュニアがいくらになるのか、まずは問い合わせてみると良いでしょう。
芸能人が着用しているIWCのインヂュニアはどのモデル?
芸能人が着用しているIWCのインヂュニアを紹介します。
明石家さんまさん着用のIWCインジュニア:AMGブラックシリーズ・セラミック IW322504
テレビ番組の司会などで活躍する日本を代表するお笑い芸人、明石家さんまさんが着用しているのはAMGブラックシリーズ・セラミック IW322504。
ブラックセラミック素材を採用したケースに、ブラウンの文字盤と同色の革ベルトが印象的な時計です。
ケースサイズは46mmと大きめのサイズですが、軽量のセラミック素材を採用しているため、見た目ほど重さは感じず疲れにくいのも魅力。
ベルトは革ベルトに見えますが、表面にワニ革を貼り付けたラバーベルトとなっています。革ベルトの高級感ある見た目と、汗や水に強いラバーベルトのメリットを兼ね備えた、実用的なベルトと言えます。
ベゼルの5つのビスやケースのフォルムなど、インヂュニアの特徴を持ちながら、他の人とは被らないオリジナリティの高いスポーツウォッチに仕上がっています。
ウブロやクストスなど「おしゃれなスポーツウォッチ」を多数所持していることで知られるさんまさんらしい通好みの時計です。
大沢たかおさん着用のIWCインジュニア:ミッションアース IW323601
この投稿をInstagramで見る
俳優として活躍する大沢たかおさんが着用していたのは、インヂュニア・オートマティック ミッションアースです。
ミッションアースとは、優れた堅牢性や耐久性によって長期間使えるようにすることで、環境に配慮する「エコ」を追求したモデルのこと。
耐磁性インナーケースによって、80,000A/mの耐磁性能と120m防水を実現した、インヂュニアならではの高スペックが魅力。
46mmと大きめのケースサイズですが、デザインのバランスが崩れることなく、優れた外観を保っています。
ドキュメンタリー番組でアフリカ大陸へ旅をする際に着用していたのがこちらのインヂュニア。堅牢性と耐久性に優れたインヂュニアは、旅のお供にぴったりの時計ですね。
IWCのインヂュニアについてのまとめ
まとめ
- インヂュニアは耐磁性能だけでなく、耐久性や防水性も優れている
- 長い歴史を持つインヂュニアは、さまざまなモデルが誕生している
- スタンダードモデルなら50万円台と、コストパフォーマンスも高い
1955年に誕生したIWCのインヂュニアは、長い歴史を持っており、時代のニーズにあわせてさまざまな変化を辿ってきました。
近年は、耐磁時計という枠にとらわれないスポーツウォッチとして展開しており、さらにユーザー層を広げています。
定価でもスタンダードモデルなら50万円台から購入でき、優れたコストパフォーマンスも魅力の一つ。
トレンドに敏感な芸能人やセレブにも愛用されており「おしゃれなスポーツウォッチがほしい」という方にもおすすめです。
ギャラリーレアでは、IWCのインヂュニアの買取を積極的に行っています。
生産終了となったインヂュニアのなかには、高価買取につながるモデルも多数あります。手元に使っていないインヂュニアがある方は、いくらで買取してもらえるのか問い合わせてみましょう。