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今さら聞けない!?オーデマ ピゲのロイヤルオーク その魅力と歴史

今さら聞けない!?オーデマ ピゲのロイヤルオーク その魅力と歴史

世界三大時計ブランドの一つと謳われるスイスの老舗時計ブランド オーデマ ピゲ。
時計作りの先駆者として たくさんの革新的な時計を生み出してきたオーデマ ピゲの中でも、
ロイヤルオークは普遍的なデザインで愛され世界中のセレブたちを魅了し続けています。

高級時計ブランドとして名高いオーデマ ピゲの代名詞ともいえるロイヤルオークですが、
時計に興味がある、好きだからこそ知りたいけど、
時計愛好家の世界では当たり前すぎて今さら聞きづらい…

「最近になって時計に興味を持ったから、ロイヤルオークのことをまだよく知らない」
「漠然とカッコイイのはわかるけど、具体的な魅力ってどこにあるの?」

今回の『今さら聞けないシリーズ』では、
ロイヤルオークの魅力や誕生時のお話について書いていきたいと思います。

ロイヤルオークとは?

ロイヤルオーク

冒頭にも書いておりますが、スイスの老舗高級時計ブランドとして名高いオーデマ ピゲを代表するモデルの一つ。
オーデマ ピゲの代名詞ともいえるラグジュアリースポーツウォッチです。
世界的に有名な時計デザイナーであるジェラルド・ジェンタによってデザインされ、1972年に発表されました。
また、ロイヤルオークは、世界で初めてのステンレススチール製の時計でもあります。

ラグジュアリーな見た目と耐衝撃性、防水性を兼ね備えた薄型のスポーツウォッチはそれまでの常識を覆し、
時計業界で生きる人々を驚かせました。

生まれた当時の時計業界の常識とは?

ロイヤルオークが誕生した1970年代の世の中では、
・時計はなるべく低価格で売れるものを作る
・高級時計といえば純金(ゴールド)で作る
ということが風潮としてありました。

また、高級時計ブランドの客層となる王侯貴族などの富裕層のあいだでは、小型のドレスウォッチを持つことがステータスでした。

そのような時代に「ステンレス製」の「大型」な「高級スポーツウォッチ」という、とにかく斬新な要素をそろえて世に出た時計。
それがロイヤルオークなのです。

ロイヤルオークの魅力とは?

オーデマ ピゲのロイヤルオークは日本円で2,000,000円以上の価格帯です。
高いものでは5,000,000円を超える価格帯のモデルもあります。
決して安いとは言えない値段設定にもかかわらず、ロイヤルオークを求める人は後を絶ちません。

当店でもロイヤルオークを買取させていただくことはございますが、その品物はすぐに売れてしまうことがほとんどです。
ネットや店頭に並ぶことなく売れてしまうこともあります。

1980年頃に配布されていたオーデマ ピゲのカタログには このロイヤルオークについて「最高傑作」と記されており、
デザイナーをはじめとする制作陣の自信のほどが伺えます。

事実、世界中から高評価を受けるロイヤルオーク。
その人気はどこにあるのでしょうか。
性能、デザイン、ムーブメント、確固たるブランドの地位、ラグジュアリー感…
人によって惹かれる点は様々かと思います。

今回はその中でもデザインやムーブメントにおける魅力についてお伝えします。

独創的なデザイン

ロイヤルオークのデザイン

ロイヤルオークは腕時計としては薄型です。
ロイヤルオークが発表された当時はスポーツウォッチといえば厚みのあるものが多かったため、時計業界では衝撃が走りました。

ロイヤルオーク

オクタゴンベゼル
八角形の特徴的なベゼル。
①イギリスの戦艦であるロイヤルオーク号(複数建造されていた)の中の1隻の舷窓がモチーフになった
②潜水服のヘルメットのビス留めされた窓が八角形であり、それをモチーフにした
などと言われています。

角に打たれた8つのビスにも細かなこだわりがあります。
一つ一つのビス表面にある溝が正円を描くように配置されているのです。

ギョーシェ彫をされたタペストリー文字盤
ギョーシェ彫とはダイヤルに規則正しく施された装飾模様のことです。
美しく、光の反射を抑えるといった効果もあります。
とても細かい模様ですが、職人の手作業で施されています。

顧客層を広げ、よりニーズの高いデザインへ

ロイヤルオークは大きく分類すると3つに分かれます。

・1972年から登場の本流のロイヤルオーク
・1993年登場の大型モデルのロイヤルオークオフショア
・コンプリケーションとなるロイヤルオークコンセプト

改良するごとにカラーや種類などバリエーションに富んだ展開をしたことで
スーツに合わせても良し、ドレスに合わせても良し、ジーンズに合わせても良し
といった、よりスポーティーでファッション性の高いデザインへと移ろいました。

また、時代が進み顧客となるターゲット層が広がりました。
高級時計といえば王侯貴族などの一部の富裕層の持つものでしたが、時代が変われば持つ人も変わるもの。
今ではビジネスで証を立てた「成功者」のステータスにもなり、いつかは持ちたい時計の一つだと言う人が大勢います。
そういった新しいターゲット層に向けて新しいロイヤルオークへと変貌させていったのです。

薄型のムーブメント

ムーブメント

薄型のスポーツウォッチであるロイヤルオーク。
そのデザインを実現するためにはムーブメントも薄く作ることが必要となりました。
細かく複雑なムーブメントを作ることに創業当初から心血を注いてきたオーデマ ピゲですから、完成したムーブメントは見事なものとなりました。

そのムーブメントが『Cal.3120』です。

高度な技術で作られたムーブメントはとにかく緻密で、時計好きな人ならば誰もが惹かれることでしょう。
オーデマ ピゲの創業者の紋章が彫られている金ローターからも限りなく細密な技術を用いられていることがわかります。

拘りのムーブメントが見えるようスケルトンデザインで製造されているモデルも多数あります。

ロイヤルオークの誕生

初代ロイヤルオーク(Ref.5402ST)は1972年に誕生しました。
薄さ、耐衝撃、防水性に優れた時計を生み出すべく、ジェラルド・ジェンタがデザインをしたものです。

時計デザイナー ジェラルド・ジェンタ

ロイヤルオークのデザインを担当したジェラルド・ジェンタ。
今となっては非常に有名な時計デザイナーですが、デザイナーとして活動するようになった20代の頃は無名の時代がしばらく続いていました。
時計をデザインするようになっても、時計全体を丸ごとデザインしたことはなかったそうです。

その後、当時のオーデマ ピゲの社長であったジョルジュ・ゴレイに才能を見出され、「すべて任せる」といった形でデザインを依頼されます。
ロイヤルオークのデザインを手掛けることによって、初めて時計をすべてデザインするという大願を果たしたのです。

ジェラルド・ジェンタのデザインは革新的で、世界は大いに驚愕させられました。

なぜならロイヤルオークが発表された当時、

・「50m防水」
・立体感を持たせた見た目

元来、薄型の時計ではこれらを実現すること、また、両立させることは不可能だとされていました。
それを実現してしまったのですから、当然ですよね。

どうやって実現したの?

ラバーのインナーケースで耐性強化
外蓋となるベゼルと文字盤の間にはインナーケースが入っています。
このインナーケースを2枚構造にし、そのうちの一つをラバー素材にしてベゼルとの間に詰めました。
このラバー素材のインナーケースがパッキンの役割を果たし、ケースへの衝撃や流水に耐える
構造にしたのです。

ポリッシュとサテンで立体感を
薄型のケースを立体的に拵えるのは非常に困難なことですが、一体どのように成立させたのでしょう。

ベゼルの仕上げ

よく見ていただくと、ベゼルの表面はマットな仕上がり、側面はつやつやに光っていることがわかりますよね。
2種類の仕上げ方を用いて光の反射のさせ方を変えることで、立体感を与えたのです。

サテン:いわゆる艶消しで、マットな仕上がりになる(表面)
ポリッシュ:鏡面のように光沢を持たせる(側面)

どちらもケース表面に細密な傷を施す作業のことです。

ポリッシュもサテンも今ではお馴染みの仕上げ手法ですが、ロイヤルオークが発表された当時は珍しかったのだそうです。
また、ベゼルの上に設けたビスで薄さを強化しています。

ロイヤルオークのモデルのご紹介

ロイヤルオークの魅力的な点と歴史を書かせていただいたところで、ここからは製品のご紹介をしていきます。
ロイヤルオークから派生したシリーズにはどのようなものがあるのか、ご覧いただければと思います。

ロイヤルオーク 15500ST

ロイヤルオーク 15500ST

ケース [外径]41mm [厚さ]10.4mm
文字盤 黒・シルバー・グレー・青
ムーブメント Cal.3120/パワーリザーブ約70時間
防水性能 50m

ロイヤルオーク オフショア 26470ST

ロイヤルオーク オフショア 26470ST

ケース [外径]42mm [厚さ]14.55mm
文字盤 グレー・アイボリー・黒
(現行は青・黒・茶)
ムーブメント Cal.3126/3840/パワーリザーブ約50時間
防水性能 100m

ロイヤルオーク クロノグラフ 26331ST

ロイヤルオーク クロノグラフ 26331ST

ケース [外径]41mm [厚さ]11mm
文字盤 黒・シルバー・青
ムーブメント Cal.2385/パワーリザーブ約40時間
防水性能 50m

発表当初の顧客の反応

強さと美しさを追及されたデザインや素材、それを製造することに伴う膨大な作業工程により高額な価格設定となっています。
目新しい見た目、素材であることも相まって、発表された当時は顧客の動きも消極的なものでした。

しかし、デザイナーのジェラルド・ジェンタは
「新しく、良い時計を作りたい」
「低価格で作り、売ることを意識したデザインが、より斬新なものになることはきっと無い」
そう語り、制作に向かっていたといいます。

もともとのブランドとしての力が強いことや芸術的な時計であることに加え、コレクション性が高いことも大きく起因して
今では世界中の技術者、時計愛好家から高く評価をされています。

買取相場も上がっています

ロイヤルオークの価値は上がり続け、買取店でもすぐに売れてしまい、なかなかお目にかかれない時計です。
中古の買取相場に至っては現行品でも定価以上の価格で取引されることが多くなっています。
さらに、数年前にアンティークブームが起きたことで初代ロイヤルオーク5402STの買取相場が跳ね上がりました。
現在も買取相場では定価を大きく上回り続け、非常に需要がある昨今です。

おわりに

ということで、今回はオーデマ ピゲのロイヤルオークについてお伝えさせていただきました。
魅力的に感じる点は人それぞれかと思いますが、どの点にも共通するのは「製作者の熱意がこもっている」ということです。
時代の常識に捉われず、良い時計を作り続けていれば いずれ世界は評価をしてくれるようになる。
そう確信して斬新な発想で時計を作り続けるオーデマ ピゲは、まさに時代の先駆者ですね。

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