パテントレザーのバッグや靴は、その上品な光沢がフォーマルな場所によく合うため、パーティーなどで重宝されています。
また、メンテナンスフリーといわれるほど、お手入れの手軽さも特徴です。
パテントレザー製品は1つ持っていると重宝しますが、新品のような光沢を保つためにはどのようなお手入れをしてどのような点に注意をするべきなのでしょうか。
パテントレザーとは
パテントレザーは、牛革などの革の表面にウレタン樹脂などを吹き付けてコーティングした加工皮革で、光沢性と耐久性のある素材のことです。
革を長持ちさせる加工のため、天然革のように経年変化を楽しむことや使い込むうちに柔らかくなることはあまりありませんが、定期的にお手入れをしていれば新品のような光沢を保つことができます。
そのため、本革のように経年変化を楽しむものではなく、無変化を楽しむ素材です。
また、水には強いものの色移りや日焼けなどを起こしやすいという弱点もあります。
パテント(エナメル)レザーのお手入れ方法
いくらメンテナンスフリーといわれていても、やはり定期的なお手入れをした方が、美しい状態を長く楽しめます。
お手入れのポイントは、表面の樹脂が劣化しないように保護をすることです。
具体的には、表面が柔らかく毛足が短い布で拭いて、ホコリなどの汚れを落とします。
それから、パテントレザー専用のローションを布に取って拭いていくか、パテントレザー専用のスプレーを20cm以上離して吹き付け、浸透したら布でから拭きしてください。
どちらを使用しても問題はありませんが、異素材との組み合わせがあるバッグや靴はローションタイプ、面積の広い大きいバッグはスプレータイプの使用がおすすめです。
また、雨など水にぬれたときはタオルで水分を拭き取りましょう。
パテント(エナメル)レザーの注意点
ひび割れ
いくら耐久性があるとはいえ、お手入れを怠るとひび割れなどの原因になります。
コーティングのひび割れは、一度起こってしまうと修復が不可能なため注意が必要です。
特に、靴はコーティングによって断面が厚くなっているところがあるため、どうしても履きじわがついてしまいます。
そのしわからひび割れが起きてしまうことがあるため、脱いだあとはシューズキーパーなどを使用してしわを伸ばすことを意識しましょう。
また、使用頻度が低いものであっても冬場はウレタン樹脂が硬くなり、乾燥によるひび割れが起こりやすくなります。
こうしたひび割れを防ぐために、定期的にお手入れをしてください。
温度・湿度の調整
パテントレザーは高温多湿に弱く、日本の気候が苦手な素材です。
そのため、保管するときは不織布や除湿剤などで湿気対策をした上で、温度にも注意してください。
保管環境に気を配っていても、長期間使用していないと高温多湿状態になりやすいため、定期的に空気に触れさせて状態を確認しましょう。
色移り・汚れ
革製品や雑誌などの印刷物などと長く密着させていると、色が移ることがあります。
パテントレザーに色移りが起こると取り除くことは難しいため、注意しましょう。
パテントレザーは光沢感があり、ツルツルしているため汚れが目立ちにくい素材ですが、もちろん汚れがまったくつかないわけではありません。
他の革と同じく、汚れをそのまま放っておくと時間の経過とともにだんだんと落ちにくくなっていきます。
そのため、汚れに気づいたときはできるだけ早めにお手入れをしましょう。
おわりに
パテントレザーの大きな特徴は、他の素材に比べてお手入れが楽なことです。
しかし、定期的にお手入れをしておかないと、独特の光沢が保てなくなったりひび割れの原因になったりするため、高温多湿の環境にならないように気をつけて保管しましょう。
パテントレザーの輝きをより長持ちさせられるように、ぜひ参考にしてください。