過去30年から現在に至るまで、上昇を続けている金の価格相場。
金の相場は1gあたりで算出されますが、その価格はここ10年で数千円もの上げ幅を記録しています。
もともと金は安全資産としての需要が高く、世界的な不安要因が発生した際に価格が上昇する傾向にあります。
直近30年の間に世界で起きた、さまざまな経済や政治情勢の変化は、金の価格上昇に大きく拍車をかける要因となりました。
特に近年は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行や、ロシア・ウクライナの戦争によって過去最高値を更新し続けています。
今回は、そんな金の価格の変化を年代別に追っていくとともに、金のベストな売り時などについても解説します。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で常務執行役員として勤務。高級時計、宝石の査定を得意とし、業界で15年以上の豊富な経験を持つ。
現在は「お客様にとっての特別な企業になる」という信念と共に、国内10店舗を統括している。
目次
過去の金の価格推移は中長期的に見てどう変動している?グラフと共に解説
金の価格は過去30年、具体的にどのように変化してきたのでしょうか。
以下では対象期間を3つに区切り、価格の推移をグラフとともにご紹介します。
過去10年間の金の価格推移をグラフと共に解説
過去10年間の金の価格推移は、とくに変動の激しいものでした。
グラフでも2013年には4,000円台中ごろだった平均相場が、2022年には7,000円台後半を記録するまでに著しく上昇しているのがお分かりいただけるでしょう。
まず背景として2011年に世界的な景気後退や金融不安が高まり、安全資産への需要が高まったことが原因で、金の価格はそれまで1g当たり平均3,000円台で推移していたものが、一時4,000円台後半と過去最高値を記録します。
その後、世界的な景気回復に伴い、2012年から2015年にかけては1g当たり平均4,000円台と、いったん横ばいの比較的安定した水準で推移。
2015年から2016年にかけては、アメリカの利上げへの期待やドル高などが影響し、金の価格はやや低迷し4,000円台前半から中ごろあたりを行き来していました。
しかし2019年に入り、アメリカと中国の貿易戦争や、イランの対米報復などのリスクが高まったのをきっかけに金の価格は上昇を開始し、5,000円台を記録します。
また、2020年には新型コロナウイルスの影響による世界的な不安定要素が加わり、金価格はついに1g当たり平均6,000円台へ突入しました。
2021年には米国のインフレ懸念から、またも上昇を続け、さらに2022年のロシアのウクライナ侵攻を皮切りに一気に7,000円台後半まで跳ね上がりました。
そして2023年に入り、4月には9,000円台を記録し、現在も上昇が続いています。
過去20年間の金の価格推移をグラフと共に解説
次に、金の価格推移を過去20年のデータにさかのぼって見ていきましょう。
2003年~2013年ごろの値動きは、いくつかの要因によりそれまで安定していた金相場を大きく引き上げる結果となりました。
スタートの2003年の金の1g当たりの平均相場は、なんと1,300円〜1,400円程度。
現在からすると、驚くほど低価格に感じられますよね。
ここから2011年に、当時過去最高値であった4,000円台に到達するまで、上昇を続けていきます。
まず2003年には、1,400円前後で推移していた金の価格は、アメリカのイラク戦争や、金融市場の不安定さなどの要因により、2005年末には1,900円台後半、2006年には2,000円台中ごろまで上昇しました。
さらに2007年には、2,000円台後半になり、2008年には一時3,000円台を超えます。
この期間には、アメリカのサブプライムローン危機などの世界的な金融危機が発生し、投資家たちが金を安全な避難先として求めたことで金価格の上昇につながったといわれています。
2009年には、2,000円台中盤まで下落したものの、その後再び上昇し、2010年には安定して3,000円台中ごろをキープ。
この期間には、景気回復の兆しが見え始めたことや、グローバルな量的緩和政策の導入などが金価格の上昇に影響を与えました。
そして2011年には、金価格は4,000円台に到達し、過去最高値を記録。
これにはヨーロッパの債務危機や、アメリカの財政問題などの不安定な情勢が続いたことが価格上昇の引き金となりました。
そしてその後の10年で、さらなる伸びを記録したことは、先の解説の通りです。
過去30年間の金の価格推移をグラフと共に解説
最後に、過去30年から現在までの金相場の変遷を追っていきます。
過去10年、20年は急激な上昇を記録した金の相場ですが、実は1993年から2003年の10年間は、グラフを見ても比較的値動きが穏やかだったというのがお分かりいただけるのではないでしょうか。
1993年の金の価格は1,200円〜1,300円台でした。
そして、10年後の2003年にも1,300円〜1,400円台と、大きく変わっていません。
日本の金相場は、主要通貨であるドル・円相場と密接に関連していますが、1993年から2003年までの期間には、ドル・円相場は比較的安定しており、大きな変動はありませんでした。
そのため金相場も安定していたと考えられています。
また、日本は90年代に入り、バブルが崩壊。
インフレ率は低下し経済が低迷していたため、人々の意識が通貨価値の保全や、インフレに対する保険として金を保有する方向に向かなかった、というのも理由の一つです。
このような要因から、金の価格はこの10年間さほど高騰しませんでした。
それどころか過去30年の中で金の1g当たりの価格が一時1,000円を下回る最安値を記録したのも、この期間の特徴です。
現在の価格を基準に考えると、驚くべき数字ですが、これには1997年に起こったアジア通貨危機の影響などが色濃く反映されているといわれています。
日本を含むアジア諸国の経済が軒並み低迷した結果、金の需要が減少し、金の価格の下落につながりました。
このように、約30年前の金相場には急激なアップダウンはほぼなく、現在からすると驚くほど低い価格で金が取引されていたことが見て取れます。
金の買取価格の推移は?アクセサリーなどによく使われる18金を例に解説
K24 | 9,429円 |
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K18 | 7,194円 |
K18WG | 7,367円 |
さて、ここまで金の価格推移を解説してきましたが、皆さんの身近にある金と言えば、18金ではないでしょうか。
カルティエやブルガリ、ティファニーなどの高級ブランドではほとんどのゴールドアクセサリーに18金が使われていますし、ノーブランドのアクセサリーでも好まれる素材のため、お手持ちのアクセサリーのほとんどが18金という事も珍しくないでしょう。
前述の価格推移とは24金1gあたりの金額です。18金は純金の量が全体の75%のため、価格も24金のおおよそ75%ということになります。
例えば、24金が9,429円の場合、18金の買取価格はおおよそ表の通りです。
ただし、買取価格は各業者によって若干異なっていたり、手数料がかかるケースもあります。
また、よく目にする買取価格の表は公表相場であることが多く、実際の買取価格と異なる場合もありますので、金を売る際には数社の買取業者に実際に見積もりを依頼し、価格をきちんと把握した上で売却することをお勧めします。
金の価格が推移する主な理由3つ
金の価格は、日々世界規模で起こるさまざまな変化に対応して推移します。
以下では、金の価格が大きく動く3つの要因について解説します。
金の価格が推移する理由1:世界情勢の変化
金の価格は、経済情勢の変化によって影響を受けます。
景気が良く、株式市場が好調な場合、投資家たちは株式などのリスク資産に投資することが多くなり、金への需要は低下します。
一方、景気が悪化し不安定な経済状況が続く場合には、安定した資産である金への需要が高まり、価格が上昇する傾向があります。
そのほか、政治情勢の変化も金の価格に影響を与える大きな要因となります。
戦争や紛争が起こった場合、国の通貨の価値や株式に対する信用が低下し、投資家たちはより安定した避難先として金などへ投資を行うことが多くなります。
その結果、金への需要が高まり、価格は上昇傾向となります。
しかし経済不安や金融不安が解消されると、株式や債券などのより高い利益率が期待できる株式や債券などに資金が流入し、金価格は下落傾向となることが一般的です。
金の価格が推移する理由2:円相場の変化
円相場の変化も金の価格に影響をもたらします。
金の市場価格は米ドルで決められているため、単純に円安ドル高になると、おのずと金の価格は上がります。
たとえば金の価格が1gあたり60ドルだった場合。
1ドルが100円の時は、金1g=6,000円(60ドル×100円)ですが、1ドル=140円となれば、金1g=8,400円(60ドル×140円)となります。
このようにドルに対して円安が進むほど、国内で金を売買するときの価格は上昇することになります。
このほか円安になると、海外の投資家が日本に投資する機会が増えます。
その流れで外国人投資家が金を購入するようになると、金の需要が増加し、結果として金の価格が上昇することが考えられます。
また円安により、日本経済の先行きや政治情勢に不安を感じた投資家たちが、安全な避難先として金を選択する可能性もあります。
そうなると、金の需要が増し価格が上昇することも考えられるでしょう。
金の価格が推移する理由3:需要と供給のバランス
金価格の動きには、需要と供給のバランスが大きく関係してきます。
当たり前のことですが、供給が需要に追い付いていないうちは金の価格は高くなり、需要を上回る供給量となった場合には金の価格が下がる傾向に。
例えば、現在金が発掘されている場所の金を取りつくしてしまったり、金の産出国の治安が悪化すると供給量が減少し、金の価格上昇の一要因となります。
このように需要と供給のバランスが、市場での金の価格決定に影響を与えています。
金を買取に出すならどこのお店がおすすめ?
金を買取に出す場合、どのような形状の金かによっておすすめの買取店は異なります。
インゴットや金貨を買取に出す場合は、金を専門に取り扱っている業者に依頼するとよいでしょう。
ただし、各社、手数料設定が異なるので、何社か比較して売却先を判断してください。
18金が使われているブランドアクセサリーであれば、ブランド品を専門に取り扱っている買取店がおすすめです。
18金の価値に加え、ブランドの価値も含めた価格での買取が期待できます。
ブランドの買取&販売を専門におこなっているギャラリーレアでは、ブランド品のアクセサリーの買取にも力を入れています。
手数料無料で査定を依頼することもできるため、どこに売ろうか検討されている方は気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
金の価格推移からみて金のベストな売り時はいつ?
前述のとおり、金の価格は時期や需要、また世界情勢によって大きく変動します。
金が高値で売れる狙い目のタイミングは、円安傾向であったり、地政学的な不安定要素があったり、金融政策が金の需要を高めるような政策を実施している時です。
2022年は新型コロナウイルスの継続的な流行や、ロシアのウクライナ侵攻で金の価格は上昇を続け、2023年6月現在は9,600円代という高値で推移していますが、今後、ロシアのウクライナ侵攻の状況によって金の価格が大きく動くことが予想されます。
1g865円という市場最安値を記録した1998年と比べ、約11倍もの値を付けている今、売り時と言っても過言ではないでしょう。
とはいえ、金は限りある資源ですから、一時的に金価格が落ちる可能性はあるとはいえ、中長期的に見れば今後も金価格の上昇トレンドは維持されるのではないかと考えられています。
将来の金価格を予測することは非常に困難だといえますが、金を売る際には市場の動向をよく観察し、リスクとリターンを考慮しながら、売り時を見極めてみてください。
金の価格推移についてのまとめ
まとめ
- 上昇傾向が続く金の価格相場だが、直近の10年はとくに大きな上げ幅を記録している
- 金の市場価格と買取相場は別物なので注意が必要
- 金の売却には信頼と実績のあるギャラリーレアがおすすめ
金の相場は、過去30年で飛躍的に跳ね上がり、現在も上昇を続けています。
昔から持っている18金のアクセサリーなどは、今では買った時の値段を大きく上回る価格になっているでしょう。
金の売り時の見極めはとても難しいですが、過去の値動きや市場の動向を長期的な視点でじっくり観察し、最後は自分の感覚を信じて適切なタイミングを判断しましょう。
また金の売却は、信頼できる買取店で行うことが大切です。
ギャラリーレアでは知識と経験の豊富な熟練のバイヤーが、お手持ちの金の価値を適切に評価し、高額買取に努めます。
査定は0円で依頼でき、手軽なLINE査定も便利です。
お手持ちの金の売却をお考えの際は、ぜひ一度ギャラリーレアにご相談ください。