カレラとは、時計メーカー・タグホイヤーがリリースした腕時計の中でも特に人気を集めているモデルです。カレラが注目を集めた理由として「価格の手ごろさ」「有名スターの広告起用」などの要因は無視できません。しかし、もっとも大きい理由としては「デザインの魅力」が挙げられるでしょう。かつて機能性を重視していたカレラのデザインは、2000年代に入ってから大きく変わります。モータースポーツに由来するカレラの定番となったモデルこそ、2004年に発表された「カレラ・タキメータークロノグラフ」でしょう。一躍、腕時計ファンからの人気を集め、高級腕時計の仲間入りを果たしました。
その後も、カレラのスポーツモデルはモダンで若者でも身につけられるカジュアルな雰囲気を残しているものが少なくありません。一方で、スポーツモデルらしくない、よりフォーマルな場に適したシンプルなデザインのものも登場しています。シーンごとにぴったりのデザインを使い分けられるカレラは、これからも国籍、世代を問わず愛好家を増やしていくでしょう。
カレラの歴史
カレラの販売元であるタグホイヤーは、1860年にスイスでエドワード・ホイヤー氏によって創設されました。100分の1秒単位の計測が可能な機械式ストップウォッチ「マイクログラフ」が評価され、タグホイヤーはオリンピックの公式サプライヤーになるなど、クロノグラフにおける栄光の歴史を刻んでいきます。そして、1964年、伝説の公道レース「カレラ・パン・アメリカーナ・メキシコ」から着想を得て、カレラシリーズが発表されました。ちなみに、着想元のレースは約3000km以上を走り抜く過酷な自動車レースであり、カレラの実用性と耐久性をPRする思いが込められています。
カレラは時計ファンからしばらく忘れられた時期もありましたが、1996年の復刻モデル、そして2004年のモデルチェンジによって再び注目を浴びるようになります。特に、2004年の路線変更によって高級感を打ち出してからは、ドレスコードにも対応できる腕時計として需要を拡大しました。伝統を大切にしながらも、固定観念にとらわれないカレラの柔軟なデザイン性は、多くの人々を惹きつけてやまない魅力と風格が備わっています。