革靴は履く人を表すと言われるだけに、ビジネスマンであれば普段からきちんと手入れをしておきたいものです。
革靴は長く履き続けるほど自分の足に馴染んでいくのが特徴のため、お気に入りの革靴であればあるほど、できる限り長く履き続けていきたいですよね。
そこで今回は、革靴を長持ちさせるための4つの方法
・汚れ落とし
・臭い取り
・日常のケア方法
・雨の日対策
についてご紹介します。
目次
水シミ汚れの落とし方
水シミは雨の日や飲み物をこぼして濡れてしまった場合にできるシミです。
靴の表面に水が染み込んだ跡が残ります。
水シミの落とし方は、キレイな水でシミをぼかし目立たないようにします。
汚れに水を染み込ませることで、汚れを散らし取り除きます。
準備するもの
絞った濡れタオル
手順
手順1.濡れタオルで汚れの表面を軽く抑え水分を馴染ませる
手順2.馴染んだらシミが濃くなったようになりますがそれが馴染んだ合図です
手順3.風通しの良い日陰で1時間程度干す
油シミ汚れの落とし方
油シミは食べ物を零してしまったり、飲食店内を歩くことで油分が付着してしまうことによってできるシミです。
水シミと違いぼんやりと黒っぽくシミができるのが油シミの特徴です。
油シミの落とし方は、ゴムのりで油分を吸収させ目立たないようにします。
準備するもの
ゴムのり(500円程度で購入可能)
手順
手順1.シミを覆うようにゴムのりを薄く伸ばす
手順2.乾くのを待つ(5分程度)
手順3.乾いたらのりをペリペリ剥がす
手順4.1~4を数回繰り返す
傷・擦れの消し方
汚した覚えがなくても、階段や歩き方の癖で付いてしまう傷や擦れ。
傷や擦れは一度付いてしまうと元通りにはならないので、色つきのクリームで目立たないように補正していきます。
準備するもの
・クロス(Tシャツ等の不用な布でも可)
・色つきの乳化性クリーム(有機溶剤が含まれていないもの)
※乳化性のクリームには有機溶剤(汚れを落とす成分)が含まれているものが多いですが、有機溶剤は革自体にダメージを与える恐れがあります。今回は傷・擦れ補正に使用するため有機溶剤が含まれないものを選ぶのがベターです。
手順
手順1.クロスにクリームを取り傷に塗りこむ
手順2.クロスの乾いた部分でクリームをふき取り、磨く
※クリームの色で目立たなくすることが目的なので、完全に消すことはできません
泥汚れの落とし方
雨の日や雨上がりなど、道を歩くだけでも泥汚れがついてしまうことがありますよね。
泥汚れはブラシや布を使って払い落としていきます。
準備するもの
・毛先が固いブラシ(豚毛がおすすめ)
・クロス(Tシャツ等の不用な布でも可)
・ステインリムーバー
手順
手順1.靴紐を靴の中に入れ込む
手順2.ブラシで泥を落としていく
手順3.粒子の細かい砂はブラシを少し塗らしてこする
手順4.クロスにクリーナーを付け優しく拭く
靴の中側の黒ずみを落とす方法
長年履いている靴は靴下の繊維やホコリ、汗などで黒ずんできます。
靴表面の汚れとは違い気づきにくいので半年から1年に1回程度、定期的にメンテナンスしましょう。
※繊維やホコリによる黒ずみは取り除くことが可能ですが、汗による黒ずみは完全に落とすことは難しいです。
準備するもの
・歯ブラシ
・アルコール除菌シート
・輪ゴム
手順
手順1.歯ブラシを靴の奥まで入れホコリを掻き出す
手順2.歯ブラシの持ち手に除菌シートを巻きつけ輪ゴムで止める
手順3.手順1のように靴の奥まで入れ奥から外へ向けて拭いていく
革靴の臭いを取る3つの方法
革靴の臭いの原因は汗そのものではなく、汗や湿気により雑菌が繁殖することによるものです。
靴の中にたまっていく湿気や皮脂は雑菌にとってはエサになるのです。
日ごろから、湿気や汚れを取り除いておくことが臭いを発生させないポイントですが、臭いが発生してしまった場合の対処法を紹介します。
消臭グッズを使用する
革靴用の消臭グッズは多く市販されています。
スプレータイプや粉タイプ、置くだけタイプもあるので選択の幅も広いです。
革靴の臭いが気になる場合は、まず手軽な市販グッズから試してみると良いでしょう。
重曹で除湿する
重曹は吸収性があり、臭いと湿気を吸収してくれます。
また、重曹はアルカリ性のため臭いの原因である酸性物質を分解し、臭いそのものを抑制する効果もあります。
【重曹を使用する手順】
・重曹を100グラムほど用意する
・靴下などキメが細かい細かい布に重曹を入れる
・重曹が出てこないように布を縛る
・革靴の中に一晩入れておく
無水エタノールを使用する
市販の消臭スプレーの香りが気になる場合は無水エタノールを使用することで香りでごまかさない消臭が可能です。
水道水1:無水エタノール0.3~0.5を加えスプレーボトルに入れておきます。
玄関に置いておく事で臭いが気になる時に使用できます。
1日の汚れを落とす
目立つ汚れができた場合の汚れ落としはもちろんですが日々のお手入れも大切です。
帰宅したらブラシを使用してその日のうちに革靴についた汚れやホコリを払い落としましょう。
準備するもの
・クロス
・柔らかいブラシ(馬毛がおすすめ)
手順
帰宅したら柔らかいブラシで軽くブラッシングしましょう。
布を使用して、から拭きするだけでも表面の汚れは落ちますが、ブラシを使用する方が縫い目やソールの結合部の隙間汚れまで除去できます。
ワックスが汚れを抑える役目を果たしているため、毎日のケアは拭き取るだけで構いません。
ブラッシング後は、シューキーパーを入れて革靴の型崩れが起きないようにしておけば良いでしょう。
毎月1回のお手入れで輝きを取り戻す
皮革が乾燥して栄養不足状態になるとひび割れの原因にもなるため、靴がダメージを受けてきたと感じたら、クリームを使用して栄養を補給してあげましょう。
クリームを使用した手入れは月1回が目安です。
準備するもの
・ブラシ
・クロス2枚
・汚れ落とし専用クリーム
・乳化性クリーム
手順
手順1.靴表面上の汚れをブラシで取り除く
手順2.汚れ落とし用の靴用クリームを使用して、古くなったクリームや染み込んだ汚れを落とす
手順3.靴全体の汚れを取り除いたら、新たに乳化性クリームを塗り込む
手順4.靴全体を乾いた布で磨き上げる
お手入れの頻度
クリームを使用した手入れは毎月1回が目安ですが、実際は「間隔」よりも「履く回数」をベースに決めることをおすすめします。
その理由は、革靴が吸った大量の汗が不快な臭いを発生させ、靴の寿命を縮めることにも繋がるからです。
そのため、一度履いた靴は2日間ほど空け、クリームを使用したお手入れは7回程度履いたら行うという考え方が適切でしょう。
一方、新品の革靴の場合、購入してから初めの頃に行うケアが後々の革質を決定づけます。
できれば最初の数か月間は、1週間に1回程度クリームを使用して手入れを行ってください。
少量のクリームを継続的に塗り込んでいくことによって、革靴に必要な脂分が染み込み、水分や汚れに対する耐久性が増します。
雨の日の対策
毎回のブラッシング、定期的なクリーム補給とは別に、必ずお手入れが必要となるのが雨にぬれた場合です。
雨にぬれたままの状態で放置していると、ひび割れや型崩れが生じて革靴の劣化を早めることにもなりかねません。
準備するもの
・布(不用なTシャツ等で可)
・キッチンペーパー、又は新聞紙
・乳化性クリーム
手順
手順1.靴の表面についた水を布で拭き取る
手順2.靴の中に、キッチンペーパーや新聞紙を詰め込んで水分を吸収させる
(※中に詰めたものはカビの発生する要因にもなるため、1日に2回程度は交換する)
手順3.完全に乾燥するまで2~3日程度は室内の風通しの良いところで陰干しする
手順4.十分に水分が取れたら、乳化性クリームでしっかりコーティングする
日々のお手入れと正しい汚れ落としで長く使える革靴に
【革靴を長持ちさせる基本】
・汚れに気が付いたらすぐに落とす
・毎日、定期的なお手入れを徹底
この2点を意識しながら革靴の劣化を防ぎ長く愛用できる靴を目指しましょう。