金の重量を示す際、グラムやキログラム以外に「オンス(ounce)」という単位を目にすることがあります。
あまり馴染みのない「オンス」ですが、金の取引においては広く用いられる単位なので、資産として金を保有している方や、これから金投資を始めたい方は、知っておいて損はないでしょう。
この記事では、金に使われる「オンス」という単位の定義や、グラムに換算すると一体どのくらいなのかなど、金の重量について詳しく解説いたします。
目次
金の重量で使われる単位「トロイオンス」について

単に「oz」「オンス」などと表記されることが多いですが、金の重量を指して使われるオンスは正式には「トロイオンス」という単位で、日本では「金衡オンス」とも呼ばれます。
「トロイオンス」のトロイは、フランスのシャンパーニュ地方にある「トロワ(Troyes)」という地名が由来です。
船の航行が盛んで物流の拠点として栄えたトロワには多くの商人が訪れ、品位や重さが異なるさまざまな金貨が流通するようになりました。
こうした背景から、公平な取引を維持するため金貨の品位を定める共通の基準が誕生し「トロイオンス」と呼ばれるようになったのです。
一般的なオンスとの違い
「オンス」と聞くと、紙コップの容量やTシャツの厚みを指す単位として使われているイメージがあるかもしれません。
これらのオンスは、先ほどご紹介した「トロイオンス(金衡オンス)」とは異なる全く別の単位です。
紙コップなどのサイズに使われるオンスは「液量オンス」で、アメリカでは1オンス=約29.6ml、イギリスでは1オンス=約28.4mlと、国によっても微妙に差があります。
布の厚みに使うオンスは「常用オンス」で、1ヤード(約90cm)四方あたりの生地の重さを表し、1オンス=1ヤード四方あたり約28.35gとなります。
参考:金の純度を示す単位は?
金の純度を示す単位としては「カラット」や「パーミル」が用いられます。
カラットというと宝石に使うイメージが強いかもしれませんが、金の刻印で見かける「K24」や「K18」などの「K」がカラットです。宝石に使うカラットは「ct」と表記され、金に使う「K」と区別されています。
パーミル(‰)は千分率、つまり1000分の1を1とする単位です。パーセントが100分の1を1とする単位なので、1‰=0.1%ということになります。
日本では銀の純度に使われることが多く「SV925」とあれば、銀の含有率が92.5%という意味です。
金1オンスで何グラムに相当する?
金の重量を示す「トロイオンス(金衡オンス)」は、1オンス=約31.1gです。
先ほどご紹介した「常用オンス」における1オンスよりも約3g重いため、常用オンスの重量で金の価格を計算してしまうと、かなり大きな誤差が生じてしまうことになります。
日本ではグラム表記が一般的で目にする機会が少ないオンス表記ですが、海外では金の公表相場などで用いられることもあるため、金1オンスは約31.1gと覚えておくとよいでしょう。
金の重さの表現一覧
- 1kg
- 500g
- 100g
- 1オンス
- 1/2オンス
- 1/4オンス
- 1/10オンス
金製品の重さを示す表現として、主に用いられる表記の一例です。
日本では一般的にグラム表記が用いられることが多く、金のインゴットなどの重さは「kg」もしくは「g」で表記されていいます。
金の公表相場などでも「1グラムあたり〇〇円」と表記され、金の取引においても基本的にグラム単位で計算されます。
トロイオンス表記が用いられるのは金貨が中心で、国際的に高い評価を受けているメイプルリーフ金貨やウィーン金貨なども、重量の単位はオンス表記です。
国際市場での金取引や海外相場の金価格で「1オンスあたり〇〇ドル」といった表記が用いられる場合があります。
金のオンスとグラムの関係
| トロイオンス | グラム |
|---|---|
| 1 オンス | 約31.1g |
| 1/2 オンス | 約15.5g |
| 1/4 オンス | 約 7.7g |
| 1/5 オンス | 約 6.2g |
| 1/10 オンス | 約 3.1g |
| 1/20 オンス | 約 1.6g |
| 1/25 オンス | 約 1.2g |
先ほどもご紹介したように、金1オンス=約31.1gなので、1/2オンスであれば約15.5g、1/4であれば約7.7gです。
オンスが示しているのは金製品全体の重量であって、純金の含有量ではない点に注意が必要です。当然ですが、22金の金貨の価格を、24金の相場で計算してしまうと正確な価格を求めることはできません。
金の含有率によって価格相場は異なるため、金の価格を計算する際には純度についても理解しておく必要があります。
金1オンスの相場は?
| サイズ | 価格 |
|---|---|
| 1オンス | 722,340円 |
| 1/2オンス | 360,461円 |
| 1/4オンス | 178,858円 |
| 1/10オンス | 71,704円 |
※2025年12月19日時点での公表相場を参照しています。金相場は変動しますので、予めご了承ください。
現在のオンスを基準にした金の価格相場は上記のとおりです。
こちらの価格は、ウィーン金貨やメイプルリーフ金貨をはじめとした純金製の金貨の相場となっています。
イーグル金貨やクルーガーランド金貨など22金製の金貨の場合は、価格が異なるためご注意ください。
金1オンスの価格を決める要素
基本的にモノの価値は、需要と供給のバランスによって変動しています。
金も例外ではなく、金の価値は為替相場や地政学リスクなどの影響を受け常に変化しているのです。
ロンドンやニューヨークなどの国際市場において、昼夜を問わず金の取引が行われているため、その時々の供給量や需要量によって金の相場が決まります。
日本国内の公表相場も、USドル建て(ドル/オンス)の金価格を基準に、1オンスあたりのUSドル金価格を日本円に換算して算出します。
海外との金取引価格の違い
日本では金の価格を「1gあたり○○円」と表記するのが一般的ですが、国際市場では「1トロイオンスあたり○○ドル」の表記が基本です。
重量と通貨の両方で日本とは異なる表示が使われているため、「1オンスあたり何ドル」と聞いても価格のイメージがつきにくくなっています。
国際標準の金相場をグラム単位の価格に換算する場合は、1オンスあたりのドル価格÷31.1g×ドル円相場で求めることができます。
金の取引価格が変動する4つの理由
需要と供給の均衡

需要が高騰し供給が追いつかない状況になると希少価値が高まり金の価格は上昇します。反対に、需要を上回る供給量になると金の価値が下がり価格相場は下落していきます。
現在、金は宝飾品や投資資産としてはもちろん、電子機器や自動車部品などにも欠かせない金属となっていて、需要は高騰し続けています。しかし、金の埋蔵量は残り少なく供給は減少傾向にあります。
近年の金相場の高騰は、こうした背景から起きているというわけです。
地政学的リスク
地政学リスクとは、地理的な位置関係が起因して発生するさまざまな不安要素が経済全体に及ぼす不確実性を指し、ビジネスや投資などの判断に影響する指標です。
金相場への影響も例外ではなく、過去にも世界的有事が起きた際には安定的資産である金の需要が高騰し、価格が急上昇した事例があります。
近年、戦争や紛争に加え国家間の政治的軋轢など、さまざまな経済不安が重なっているため、金の相場高騰に拍車がかかっています。
物価と通貨の価値
インフレやデフレといった通貨や物価の変動も、金の相場に影響を及ぼす要因のひとつです。
大まかに言えば、インフレは通貨の価値が下がること、デフレは通貨の価値が上がることを指します。現在の日本は、物価が上昇し続けていて、円の価値が下落傾向にあるインフレの状態にあたります。
こうしたインフレ化が進むと株式や債券の価値も下がるため、インフレの状態であっても価値が安定的な金に需要が集中し、金の価格が上昇するのです。
金利動向の変化
金の相場には、各国の中央銀行が設定する政策金利の動向も影響しています。
政策金利と金相場は、基本的に逆相関の関係になります。中央銀行の政策金利が引き下げられると、インフレへの懸念が高まるため、安定資産である金の需要が高騰しやすいです。
近年では、地政学リスクや為替変動など多様な要因が金相場に影響を及ぼすため、必ずしも逆相関の関係になるとは限りません。政策金利だけで判断せず、その他の経済情勢にも目を向けておきましょう。
金を資産として保有する人が増えている背景
- 現金に換えやすい
- 有事の備えになる
- 無価値になりにくい
- インフレ対策になる
- 分散投資効果が高い
金を資産として保有する人が増えている理由として、上記のような要因が考えられます。
現物資産である金は換金性が高く、貴金属の買取専門店などで売却すれば手軽に現金化することができます。
金そのものが世界に共通する価値を持っているため、有事の際でも金の価値がなくなるリスクがないのも安心材料です。
また、金は株式や債券などとは異なる値動きをすることが多いので、資産構成の一部として保有しておくとリスク分散としても有効です。
金の売却なら「ギャラリーレア」

ギャラリーレアは、金をはじめとした貴金属やブランド品を中心に買取を行うリユース店です。
金貨などの金製品の中には、単に金としての価値だけでなく高い希少価値を持ち、プレミア価格で取引されるようなアイテムもあります。
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まとめ
まとめ
- オンス(トロイオンス)は主に金貨に用いられる単位
- 金1トロイオンスは、グラムに換算すると約31.1g
金の取引などで目にするオンス(トロイオンス)という単位について、誕生した背景や実際の重さなど、詳しく解説してきました。
トロイオンスはあまり日本では馴染みのない表記なので、液量オンスや常用オンスと混同していた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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