スケルトンウォッチの誕生には諸説あります。
その中の1つとして、時計職人が「時計の内部の機能を人々に忠実に伝えたい」と考えた……という説があるといわれています。
ムーブメント本来の美しさと、部品一つ一つのこだわりがちりばめられたスケルトンウォッチ。
ウォッチメイキング技術を駆使し、より自由な発想で生み出される現代のスケルトンウォッチは、メゾンの持てる技術力と独自の個性が凝縮されています。
今回は、数あるスケルトンウォッチの中から、厳選した5種類をご紹介します。
リシャールミル「バッバ・ワトソン ジャパンブルー」(RM-055)
2012年、2014年にマスターズを制覇したプロゴルファー「バッバ・ワトソン」の名を冠したRM-055。
バッバ・ワトソン ジャパンブルーは、インナーベゼルのブランドロゴやミニッツトラック、そしてリューズのラバーコーティングにブルーを配し、ミドルケースはブラックラバーコーティングを使用した、40本のみの日本限定モデルです。
ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つとされる特殊素材ATZをベゼルに使用し、チタン製のミドルケースと裏蓋はラバーコーティングされています。
ユリスナルダン「エグゼクティブスケルトン トゥールビヨン」(1713-139)
世界中のメゾンがこぞって集結する世界最大規模の見本市、バーゼルワールドで、2016年にユリスナルダンが発表したわずか18本という少量限定モデルです。
大型のローマンインデックスと、宙に浮いているかのようなムーブメントが特徴的。繊細なパーツを組み合わせることで、本来非常に複雑なフライング・トゥールビヨンの構造を驚く程にすっきりと可視化させた時計です。
この7日間のパワーリザーブを備えもつメカニズムの鼓動には、極めて軽量なシリシウムを採用。
チタンとセラミックのコンビネーションからなる外装と相まって、極めて軽やかな装着感が実現されている点も大きな特徴です。
クストス「チャレンジ ジェットライナー」(CVT-JET-SL)
ジェットライナーは、実際に航空機の機体に用いられる素材を採用した時計。
あらゆる部分の空洞化を進め、厚みをそぎ落とし、パーツの一つ一つを見直して軽量化を図ったコレクションです。
文字盤側からも可視化されたムーブメントには、創り込まれた外装以上に独創性に富んだ意匠が満載。
その軽やかさに加え、手首への収まりを配慮して湾曲を与えられたトノー型ケースは、現代的なエレガンスを体現しています。
21世紀の実用時計として十分な性能を備えており、広い用途に活躍してくれること間違いなしでしょう。
ウブロ 「キングパワー ウニコ チタニウム」(701.NE.0127.GR.1704)
ビッグバンの進化形として、腕時計のなかでも48㎜径という最大級のサイズで登場したキングパワー。
チタンとラバーというスポーティーな素材を使いながら、その全体をメレダイヤの輝きで包み込んだそのルックスは、キングの名にふさわしい華やかさに満ちています。
この時計も、トランスパレントの裏蓋と共にムーブメントを両面から可視化できるのが大きな特徴です。
ルイ・ヴィトン「タンブール ミニッツリピーター」(S50295)ガルーシャストラップ
タンブールをコレクションの核として、ブランドのテーマである「旅」に携帯して実際に役に立ちうる、実用時計を目指してきたとされる、ルイ・ヴィトンのウォッチコレクション。
ファーストコレクションからその姿勢はぶれることなく一貫しており、タンブールのクオリティの改善に終始している事実には、このブランドの知名度の高さ故に意外性を感じる方もいるかもしれません。
2011年に初めて登場したミニッツリピーターは、100時間に及ぶロングパワーリザーブと、日常生活防水を備えています。
おわりに
各メゾンのスケルトンウォッチは、かつての工芸的な審美性の追及からより高度な技術と複雑機構による直接的な訴求にシフトしてきているといえるでしょう。
各メゾンの個性がより際立つスケルトンウォッチ。ぜひ、コレクションの1つに加えてみてはいかがでしょうか?