ブランド品や腕時計などを購入したときに一緒についてくるギャランティカード。
「何となく取っておいたほうが良いのかな?」「同じブランドのアイテムをたくさん持っていて、どれがどのギャランティカードか分からないまま保管している。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、各ブランドのギャランティカード(保証書)の有無や役割の違い、売却するときの影響などについて詳しく解説いたします。

ブランド買取販売店「ギャラリーレア」でLA部部長として勤務。業界屈指の激戦区である大阪エリアにおいて10年以上のブランド買取経験を持つ。
日本流通自主管理協会(AACD)の認定査定士として、ブランドに対する確かな知識とお客様に寄り添ったサービスを武器に第一線で活躍している。
目次
ギャランティカード(保証書)とは何か?
ギャランティカード(保証書)とは、正規販売店で販売されたブランド品やジュエリー、腕時計などの品質を保証する証明書で、ブランドごとに異なりますが「保証書」「GUARANTEE」「CERTIFICATE」などの表記があります。
ブランドやアイテムによってギャランティカードの有無や、保証書に記載される情報は異なりますが、基本的に「この製品は正規品である」と証明する役割を担っています。
ギャランティカードや保証書には、主に以下の情報が記載されていて、いつどこで購入した製品か判別できるようになっています。
・購入店舗
・購入年月日
・購入アイテムのシリアルナンバー
各ブランドのメーカー保証による修理やメンテナンスを受ける際に、ギャランティカードの提示を求められる場合もあるため、紛失しないように保管しておくとよいでしょう。
ギャランティカード(保証書)の形状
ギャランティカードや保証書の形状はブランドによって異なります。
プラスチック製のギャランティカードを使用しているブランドもあれば、紙製の保証書を使用しているブランドもあり、素材も大きさも様々です。
現在、プラスチックカードのギャランティが付属する主なブランドは、ロレックス、オメガ、ディオール、クロエ、クロムハーツなどがあげられます。
紙製の保証書が付属する主なブランドは、ブルガリ、ハリーウィンストン、ヴァンクリーフアーペルといったジュエリーブランドが多くなっています。
ブランドによって異なる取り扱い
ギャランティカードを作成しているブランド | ギャランティカードを作成していないブランド |
---|---|
ロレックス オメガ ディオール クロエ マルジェラ |
エルメス シャネル ルイ・ヴィトン プラダ バレンシアガ セリーヌ |
近年ではシャネルやプラダを筆頭に、ギャランティカードを廃止するブランドも増えてきています。
もともと正規品であることの証明として発行されていたギャランティカードですが、ギャランティカードの偽物まで出回るようになり、カードの有無だけでは正規品かどうか見分けることが困難になりつつあります。
そのため、多くのブランドがRFIDと呼ばれる小型のICチップを製品そのものに埋め込み、これまでカードに記載していた情報をICチップで記録するという管理方法を導入するようになったのです。
ギャランティカードの3つの役割
ギャランティカード(保証書)に記載されている情報や、ブランドごとの発行状況などについてご紹介してきました。
ここからは、ギャランティカードや保証書の役割について、さらに詳しく解説いたします。
①正規品である証明
製品の製造元であるブランド自らが、ギャランティカード(保証書)を発行することで、購入者に対して製品が間違いなく「正規品」であることを示すのがギャランティカードの本来の役割です。
購入した製品にギャランティカードが付属していれば、ブランドの認める正規販売店で販売された正規品であり、偽造品でないということが購入者にも分かりやすく安心材料のひとつでもありました。
しかし先程もご紹介したように、近年はギャランティカードの偽造も後を絶たず、カードや保証書がついているからといって、必ずしも正規品とは言い難いのが現状です。
各ブランドがギャランティカードの偽造防止に努めていますが、すでに一部のブランドはギャランティカードを廃止し、製品自体にICチップを埋め込むことで偽造を防止する方法に移行しつつあるため、ギャランティカードがないからと言って偽造品であるということもありません。
②来歴の記録
多くのブランドでは、ギャランティカードに販売店舗、購入年月日、シリアルナンバー、モデルナンバーなどが記載されていますが、かつては購入者の氏名まで記載されているブランドもあり、正規品であることを証明する以外に、その製品のルーツが分かる物としての役割も果たしていました。
最近では、購入者の個人特定ができないよう最小限の情報のみを記載しているブランドが多いですが、正規の販売ルートから購入した所有者であると分かれば、製品そのものの信頼性を高めることにもつながりますよね。
また、製品のアフターサービスを受ける際、ギャランティカードの提示が必要なブランドもあります。
カードや保証書がなくても保証が受けられるブランドもありますが、保証期間内かどうかを確認するためにも購入年月日が記されたギャランティカードは保管しておくのが望ましいでしょう。
③固有番号の表示
ギャランティカード(保証書)にシリアルナンバーや製造番号など、製品が持つ固有の番号を記載しているブランドもあります。
シリアルナンバーや製造番号の形式や桁数などはブランドによってさまざまで、ギャランティカードから読み取れる情報もそれぞれ異なっています。
一見しただけでは単なる英数字の羅列に過ぎないため、何か意味があるようには見えませんが規則性を知っていれば、製品が製造された時期や生産されたアトリエなどの情報を知ることも可能です。
画像は以前発行されていたシャネルのギャランティカードで、上部に印字された8桁の番号がシリアルナンバーです。この場合は、番号が8桁で最初の2桁が「27」であることから、2019年以降に製造されたことがわかります。
また、シャネルは2021年にギャランティカードを廃止したため、製品にカードがついている場合は2021年よりも前に製造された製品ということになります。
>> シャネルのシリアルナンバーから製造年数を調べる方法を徹底解説
ギャランティカードがなくても買い取ってもらえるの?
- 基本的にギャランティカードがなくても買取可能
これまでにご紹介してきたようにギャランティカードがあるというだけで、正規品とは断言できないのが現状です。したがって、ギャランティカードの有無にかかわらず製品が正規品であるかどうかが買取の可否を左右します。
そのため、必ずしもブランド品を売るときに必須というわけではありませんが、再販するときにギャランティカードがあったほうが売り手が付きやすいため、ギャランティカードがあったほうが高額査定になりやすいのは確かです。
また、一部のブランドの買取については、ギャランティカードを必須としている買取店もあります。
偽造品が多く出回っているブランドの場合は、正規品かどうかの判断が難しいことに加え、再販するにもギャランティカードがないと売りにくいのが現状です。
そのため、クロムハーツについては、いわゆる保証書にあたるインボイスや購入証明書がないと買取不可としている買取店も多いです。
ギャランティカードの有無に関わらず買取不可となるケース
ギャランティカードや保証書の役割や、買取における重要性などについてご紹介してきました。
ここからは、ギャランティカードの有無にかかわらず買取店での売却ができないケースについて解説いたします。
並行輸入品
海外ブランドの正規輸入代理店以外のルートから製品を国内に輸入することを並行輸入といい、正規代理店を通さずに輸入され国内で販売されている海外ブランドのアイテムを「並行輸入品」といいます。
反対に、正規輸入代理店が製品を国内に輸入することを正規輸入といい、直営店や正規代理店などで販売されている製品はいわゆる「国内正規品」となります。
正規代理店や正規販売店以外の販売店が、独自に輸入し消費者に販売している並行輸入品は、製品そのものについては海外正規品ではあるものの国内正規品ではないという扱いになるため、極稀に国内ではアフターサービスが受けられない場合があります。
こういった懸念点があることから、ギャランティカードが付属している海外正規品であっても、並行輸入品の場合は買取を行わない買取店もあるようです。
売却したいブランド品が並行輸入品である場合は、査定の前に買取店に問い合わせておくとよいでしょう。
コピー品
ギャランティカードや保証書が付属していても、偽造品は当然買取してもらえません。
近年では、正規品と簡単には見分けがつかないような精巧な偽造品も非常に多く、あたかも正規店で購入したかのような箱や保存袋、ギャランティカードなどの付属品まで再現している悪質なコピー品まで出回っています。
ギャランティカードがあろうとなかろうと、偽造品である時点で買取店に売却することはできないので、誤って偽造品を購入してしまうことがないように、しっかりと信頼できる販売元かどうかを確認して製品を購入することが重要です。
偽物(ニセ)のギャランティ
ギャランティカードがあったとしても、正規品でなければ買取は不可となります。
画像はどちらも以前シャネルが発行していたギャランティカードで偽造品ではありませんが、左のカードには丸いシールがあるのに対し、右のカードにはシールがありません。このシールは、1997年頃から偽造防止の目的で貼られるようになったものです。
このほかにも、カードに透かしを入れたりブラックライトに反応して光る加工を施したりと、各ブランドがあらゆる偽造防止策を講じてきましたが、現在もギャランティカードの偽造は後を絶ちません。
ギャランティカードの正規品と偽物の見分け方
ギャランティカードの真贋については、印字されている文字のフォントや文体などがわかりやすいです。明らかに日本語が不自然であったり、漢字が日本語フォントと異なっていたりする場合は、偽造されたギャランティカードの可能性が高いです。
そのほか、ギャランティカードの偽造防止策としてブラックライトを当てると光る加工を施しているブランドもあります。
上記のような真贋のポイントはあるものの、実際に現物を見ないと正確な鑑定は難しく、メルカリやネット通販などで、ギャランティカードの写真が掲載されていたとしても、画像だけでギャランティカードが正規品かどうか判断するのは非常に困難です。
ギャランティカードなしでも高額買取してもらうコツ
前述のとおり、ギャランティカードがないとどうしても買取価格は下がってしまう傾向にあります。
ここからは、ギャランティカードを失くしてしまったという方のために、少しでも高価買取につなげる方法をご紹介いたします。
ギャランティカードなしでも高額買取してもらうコツ1:専門性の高い買取業者に依頼する
ギャランティカードを紛失してしまったブランド品をできるだけ高く売りたい場合は、売りたいアイテムの買取に長けている買取業者を選ぶのがポイントです。
ブランド品の査定に自信がない買取店は、ギャランティカードの有無で真贋を判断しているケースがあり、製品自体に問題がなくても買取を断られたり、相場よりも安い査定額を提示されたりすることも。
売りたいブランドアイテムの買取実績が豊富な買取店であれば、ギャランティカードがなくても正規品かどうかをしっかりと鑑定して適正な価格で買取してもらえる可能性が高いです。
事前に買取店の公式サイトなどをチェックして、売りたいブランドの買取実績を調べておくとよいでしょう。
ギャランティカードなしでも高額買取してもらうコツ2:ほかの付属品をできるだけ揃える
ギャランティカードを紛失してしまった場合は、それ以外の付属品をできる限り揃えておくようにしましょう。
ブランドバッグや財布であれば、保存袋やショルダーストラップ、ネームタグや南京錠などが付属する場合が多く、紛失してしまうとさらに査定額が下がってしまいます。
時計であれば、箱やケース、説明書に加え、ブレス調整時の余りコマなども査定額を左右する付属品です。
また、購入時のレシートやショップカードなども買取査定でプラス評価になる場合があります。ギャランティカードほどの効力はありませんが、もしギャランティカードを失くしてしまった場合は、念のためレシートやショップカードも保管しておくとよいでしょう。
ギャランティカードなしでも高額買取してもらうコツ3:複数の買取店で相見積もりをする
ギャランティカードがないケースに限ったことではありませんが、いくつかの買取店に査定を依頼し相見積もりをとることも、高価買取を実現するために有効なプロセスです。
売りたいブランドの査定が得意な買取業者をいくつか見繕っておいて、1つの業者だけで決めずに複数の買取店で査定を受けましょう。
同じアイテムであっても、そのときの在庫状況やトレンドによっても査定価格は変わってくるので、査定結果は買取店によってそれぞれ異なります。
実際に買取店を訪れて査定してもらうのが最も確実ではありますが、近隣に複数のブランド買取店がない場合は、LINEやメールなどのオンライン査定を活用するのもおすすめです。
まとめ
まとめ
- ギャランティカード(保証書)は正規品であることを示す役割がある
- ギャランティカードや保証書の偽造品も増えているため注意が必要
ギャランティカードや保証書の役割、買取における重要性などについて詳しく解説してきました。
ギャランティカードの発行状況や、保証を受ける際の要件については対応が分かれているため、詳細については各ブランドに問い合わせてみてくださいね。
ギャランティカードがないブランド品でも、買取を受け付けてもらえるケースがほとんどなので、出番がないアイテムがある方は買取査定を試してみてはいかがでしょうか?