経済や政治の影響を受けにくく安定性が高いため、投資初心者にもおすすめの「金投資」。
金は錆びたり変色したりしにくいことから、古代エジプトでは不老不死の象徴とされ、神聖視されていた特別な金属です。
また中世ヨーロッパでは、希少価値の高い金は富と権力の象徴であり、身分の高い者でなければ金を保有することができませんでした。
現代でも金は装飾品や建造物に使用されているほか、パソコンやスマホなどの電子機器にも組み込まれており、私たちの生活に欠かせません。
金は人類の長い歴史の中で普遍的な価値があり、今後も無価値になるリスクがないため「守りの資産」として保有する人が増えてきています。
そこで今回は、金投資のメリット・デメリットや、金投資の種類について徹底解説。
これから金投資を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で常務執行役員として勤務。高級時計、宝石の査定を得意とし、業界で15年以上の豊富な経験を持つ。
現在は「お客様にとっての特別な企業になる」という信念と共に、国内10店舗を統括している。
目次
金投資とは?
「金投資」とは、その名の通り金(ゴールド)に投資することを意味します。
金投資は、購入時よりも金の価格が高くなったときに売却すれば利益が出て、購入時よりも金の価格が安いときに売却すれば損失が出るシンプルな仕組みです。
他の投資方法よりも利益や損失を判断しやすいため、投資の初心者にも比較的始めやすいのが特徴です。
また、一口に金投資といっても、金地金の取引から投資信託までさまざまな種類があります。
複数の投資方法から自分に適したものを選べることも、金投資の大きな魅力の一つといえるでしょう。
金投資の3つのメリットを解説!
それでは、金投資のメリットを3つのポイントに分けて解説しましょう。
金投資のメリット1.世界共通の価値基準
金は美しく希少性の高い金属なので、世界共通の価値をもつのが特徴です。
金そのものに価値があり単体で通貨のように使えるため、金は「無国籍の貨幣」と呼ばれます。
米ドル・ユーロ・円など国が発行する通貨は、国家の情勢により価値も大きく変動します。
しかし金は発行元がないため、価値が大きく揺らぐことはありません。
また、金と同じように実物資産として知られる不動産(土地や建物)より換金性が高いのも金の魅力です。
不動産の売却は手続きが複雑なうえ、買い手がタイミングよく見つからないことも。
それに対して金は世界中のマーケットで取引が行われているので買い手がすぐに見つかり、必要なタイミングで換金ができます。
金投資のメリット2.無価値になるリスクがない
株式や債権は企業の信用をベースに取り引きされているので、企業の不祥事や倒産などのアクシデントにより資産価値が突然なくなるリスクもあります。
それに対して、金は現物そのものに価値があるため、資産価値が無になるリスクがありません。
また、現在金は世界中で約50,000トンの埋蔵量があるといわれていますが、年間で約3,000トンもの金が掘り出されています。
今のペースで金を掘り出し続ければ、約10~15年ほどで金は枯渇するといわれています。
新技術の開発や新たな鉱山の発掘も行われていますが、膨大なコストや時間がかかるため、劇的に採掘量を増やすのは至難の業です。
これまでに採掘した金がリサイクルされるため、金が地球上からなくなってしまう訳ではありませんが、希少価値はますます高まっていくでしょう。
金投資のメリット3.世界情勢の変化に強い
金は「有事の金」といわれており、世界情勢が不安定なときには価値が上がるとされています。
近年では、2008年のリーマン・ショック、2011年の東日本大震災、さらに2022年のコロナショックなどの出来事により、株式市場に売りが殺到。
すると株価は暴落し、資産を金に換えて保有する投資家が増え、金の価格が急上昇しました。
また金はインフレに強いことも特徴の一つです。
インフレとは、物の値段が継続的に上がりお金の価値が下がってしまうこと。
資産がすべて現金の場合、インフレの影響を強く受けてしまい、資産が目減りしてしまいます。
しかし金は物の値段が上がると同時に金の価格も上がる傾向にあるため、資産の目減りを防止することが可能です。
世界各地で起こる紛争・テロ・災害などは、誰にも予測することはできません。
物自体に価値がある金を保有しておくことで、世界情勢の変化にも対応できるのも大きなメリットです。
金投資の3つのデメリットを解説!
金投資はメリットだけでなく、他の投資と同じようにデメリットもあります。
ここからは、金投資のデメリットを3つに分けてお伝えしましょう。
金投資のデメリット1.株と違い利子や配当金などのインカムゲインはない
株式や債権などのペーパー資金とは異なり、金は実物資産のため配当金や利息がありません。
株式は業績によって数倍~数十倍の値上がりをするケースもあり、短期間で大きな利益を出すことも可能です。
それに対して金投資で利益を出すためには、金を購入した金額よりも売却した金額の方が上回る必要があります。
そのため、金をただ持っているだけでは利益を生み出すことができないのが大きなデメリットです。
ただし金は実物そのものに価値があるうえ、ペーパー資産のように突然価値を失うこともなく、大きな損失を生むことはほとんどありません。
短期的な利益を出すことはできませんが、現在の資産を守りながらじっくりと利益を出したいと考える方には金投資がぴったりです。
金投資のデメリット2.手数料が高い
金投資は他の投資と比べると、手数料が高いこともデメリットの一つです。
例えば純金積立の場合、一般的には2~3%の購入手数料が発生します。
株投資の手数料は1%前後なので、金投資は購入した時点で2~3倍もの費用がかかることに。
また金を保管する手数料や売却手数料などもとられるため、売却のタイミングを誤ると利益を出すどころか、損をしてしまうリスクもあります。
手数料は金を販売する販売会社によって異なるため、手数料とサービスが見合っているか、申し込み前にきちんと見極めておきましょう。
金投資のデメリット3.管理のリスク
金を現物で保有する際に問題になるのが、管理のリスクです。
購入した金を自宅で保管すると、盗難にあったり紛失してしまったりする可能性があります。
さらに地震や火事などの災害に見舞われ、自宅で保管している金を取りに戻れなくなるリスクも。
またインゴットや金貨などは傷がつくと価値が下がることがあるため、他の貴金属と一緒に保管するのはおすすめできません。
そうしたリスクを避けるためには、銀行の貸金庫や管理機関に預けるのが一番ですが、金の預け入れや引き出しには手数料がかかるのが難点です。
管理費用だけで1年間に数千〜数万円の手数料がかかるため、少量の金を現物で保有するのは割に合っていないと考えるべきでしょう。
金投資の方法5種類をご紹介!
ここからは、代表的な金投資の方法を5種類ご紹介していきます。
それぞれの特徴を比べながら、自分にぴったりの金投資の方法を探してみてください。
金投資の方法1.インゴット・地金の売買
金投資の中で最もシンプルなのが、金地金(インゴット)や金貨を売買する方法です。
金地金とは混ぜ物がない純金を塊にしたもので、国際規格により品質が保証された金のことです。
金地金はインゴットとも呼ばれ、投資商品にふさわしいように板状に形が整えられ、製造番号や品質表示などが刻印されています。
金地金が欲しい時は、貴金属メーカーや地金商などに足を運べば、面倒な手続きをせずにその場で購入できます。
ただし金地金を購入する場合、500g未満だと手数料が別途必要になるケースが多いため注意しましょう。
そして金貨は、その名の通り金でできた通貨のことです。
金貨には記念コインなどの収集型金貨と、発行元の政府が品質を保証する地金型金貨があります。
収集型金貨は人気がなくなると価値が急落する可能性もあるため、投資用には地金型金貨がおすすめです。
金貨は金地金と比べるとサイズが小さく軽量なので、自宅でも保管スペースを取られません。
なお金は重量が少ないものほど手数料が割高になるため、投資用として金貨を購入するなら、なるべく重量のあるものを選ぶと良いでしょう。
金投資の方法2.純金積み立て
純金積立とは、毎月一定の金額を積み立てて純金を購入する投資方法のことです。
金そのものが自宅に届くのではなく、購入した金は証券会社が管理するため、盗難や保管のリスクがありません。
純金積立には、毎月1,000円など決まった金額で購入する「定額積立」と、毎月1gなど量を決めて購入する「定量積立」といった方法があります。
積み立てた金額は現金で引き出すことはもちろん、金そのもので引き出したり、同等の価値があるジュエリーと交換したりもできます。
一度設定しておけば自動的に引き落とされるため、手間なく投資が続けられるのもポイントです。
また純金積立には単発で金を購入する「スポット取引」という方法もあります。
スポット取引を使えば、ボーナスや臨時収入が入ったときや、金の価格が下がったときに購入することが可能です。
純金積立は少額で始められるうえ、金現物の管理も必要ないため投資の初心者に適しています。
ただし、純金積立はまとまった金額になるまでは長い期間が必要なうえ、金の保管手数料をとられるのがデメリットです。
また金は価格の変動が少ないため、短期間で利益を出すにはかなりの額を積み立てる必要がある点もおさえておきましょう。
金投資の方法3.投資信託
投資信託とは、多くの投資家から募った資金を専門家が運用し、出た利益を分配する金融商品です。
投資信託を始めるには金融機関に証券用の口座を開設する必要はありますが、100円からでも購入できるのが魅力。
さらに金の投資信託は現物を所有する必要がないので、金を管理する手数料がかかりません。
少額で投資を始めてみたい方や、ランニングコストをなるべくおさえたい方にも適しています。
ただし金の投資信託では、専門家へ支払う信託報酬や、金を購入する手数料などがかかります。
また金を取り扱う企業に投資する場合、企業の信用がリスク要因となり、実際の金価格よりも分配金が安くなってしまうことも。
各商品によって運用方針が異なるため、自分に合う商品かどうかをしっかりと確認することをおすすめします。
金投資の方法4.金ETF
投資信託と同じように証券用の口座を保有するだけで投資ができ、現物をもつ必要がない投資方法が「金ETF」です。
金ETFと投資信託はよく似ていますが、証券取引所を通じて取引をするかどうか(上場しているかどうか)という違いがあります。
金ETFは上場投資信託なので、株式と同じように証券取引所を通じて、金を買ったり売ったりします。
株式と同じようにリアルタイムで金価格が動くため、証券取引所の取引時間内であればいつでも取引が可能です。
それに対して投資信託は上場していないため、銀行や証券会社などで金の売買を行います。
一般的に投資信託は、注文した翌日でなければ金が売買された金額が分からないため、思惑通りに価格が動かなかった場合、損失が発生するデメリットがあります。
ただし、投資信託は100円~でも購入できるのに対し、金ETFは最低でも7,000円前後~数万円ほどの資金が必要な点をおさえておきましょう。
金投資の方法5.金の先物取引
先物取引とは、あらかじめ決めた価格で商品の取引を約束し、期日になったら実際に売買を行うことです。
取引の時点で価格が決められているため、金がその価格よりも高く売れれば利益が出て、低くなっていれば損失が発生する仕組みです。
また、金を現物で取引する場合と異なり、先物取引は売り・買いのどちらでも選択できるのが特徴。
これから金価格が下がると予想したときは売り、金価格が上がると予想したときは金を買っておくことができます。
金の先物取引は大きな利益を生み出す可能性もありますが、投資初心者には金の売り時を判断するのが難しいというデメリットもあります。
予想した金額で取引できなかった場合、大きな損失が出てしまう可能性もあるので注意しましょう。
投資方法をきちんと学んだうえで、自分自身で売り買いのタイミングを判断できる方や、資金に余裕のある方におすすめです。
投資で購入した金の地金を換金したい!おすすめの買取は?
投資で購入した金地金は、貴金属買取専門店や中古品買取店などで換金することができます。
ただし、貴金属買取専門店の場合は買取価格の1~2割ほどの手数料が発生したり、自社製品以外は買い取ってもらえなかったりする可能性も。
また中古品買取店の中には、金を安く仕入れるために、相場価格よりも安い金額を提示されることもあります。
金地金を適正価格で換金したい方は、ブランドリユース店の「ギャラリーレア」がおすすめです。
ギャラリーレアでは、買取相場に基づいた適正価格で買取を行います。
2024年3月現在、純金1gあたりの買取価格は11,000円前後を推移しており、5年ほど前と比較すると倍以上の価格になっているため、今がまさに売り時です。
また、ギャラリーレアでは純金はもちろん、18金・14金・10金なども買取に出すことができます。
お手元に投資用に購入した金地金がある方や、使用されていない金のジュエリーなどがある方は、ギャラリーレアをご利用ください。
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「金投資はやめとけ」や「おすすめしない」という主張の理由はなぜ?
金の価値は安定性があるため、資産運用として活用する人が多い反面、「金投資はおすすめできない」という声もあります。
多くの投資がそうであるように、金投資にはおすすめできる人と、おすすめできない人とがいるためです。
まず金投資をおすすめできるのは、分散投資をして資産運用のリスクを回避したい人です。
例え株式や債券で損失が出たとしても、金投資をしておけば、資金が大きく目減りするのを予防できます。
また、資産を現物で保有してみたい人にも、金投資はぴったりです。
富と権力の象徴であるインゴット、さまざまなデザインで発行される金貨、美しい煌めきを放つ金のジュエリーなどは、手元に置くだけで華やかな気分になれるでしょう。
もちろん金はインテリアやファッションアイテムとして楽しむだけでなく、有事にはすぐに換金できるのも魅力ですね。
それに対して金投資がおすすめできないのは、資金の確保が難しい人や、大きな利益を短期間であげたい人です。
金投資は少額から始められるものもありますが、その分短期間では利益を上げることが難しく、長期的な運用が必要となります。
そのため、継続的に金投資にまわす資金が乏しい人や、結果をすぐに出したい人には金投資はあまりおすすめできません。
金投資についてのまとめ
まとめ
- 金は希少性が高く世界情勢の変化に強いため、株式や債券のように価値が突然なくなるリスクが少ない
- 金投資は短期的な利益を出すことを目的とせず、資産を守るために行うのがおすすめ
- 投資で購入した金を換金したい方は、ブランドリユース店ギャラリーレアをご利用ください
今回は、不安定な世界情勢が続く現在、多くの投資家が注目する「金投資」について解説しました。
金は希少性が高く世界中で同一の価値を認められているため、資産として保有するのに適しています。
日々流動する世界情勢の中で、普遍的な価値をもつ金を保有することは、資産運用として有効な手段です。
ただし金は保有しているだけでは利益は出ないため、売却のタイミングを見極める必要があります。
現在金価格は高騰しているため、お手持ちの金地金や金貨などを買取に出したい方は、ブランドリユース店ギャラリーレアをご利用ください。【簡単LINE査定/完全無料】
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