スイス以外のブランドで唯一時計の世界5大ブランドと称される、1845年創業のドイツの老舗時計メーカー、A.ランゲ＆ゾーネ。
王国時代から重ね続けてきた伝統ある装飾技法と、最高の技術を惜しみなく注ぎ込み、「ランゲ1」や「ダトグラフ」のようなマスターピースを次々と発表してきました。
今回は、そんな特別なプロダクトのみを作る高貴なメゾン、A.ランゲ＆ゾーネの傑作たちをご紹介します。
「ランゲ１」ホワイトゴールド
高い技術力と装飾技法により、19～20世紀にかけてドイツ時計界の頂点に君臨した、A.ランゲ＆ゾーネ。
しかし、その工場が第2次世界大戦の戦火にのまれ、戦後は工場を東ドイツ政権によって強制的に国有化されてしまいました。
1990年に東西ドイツが再統一された直後、4代目ウォルター･ランゲによってA.ランゲ＆ゾーネは再興を遂げました。
1994年10月、復興後初のコレクションを発表。
その中の1つが今ではこのブランドの代表モデルとなっている「ランゲ1」です。
9時側に寄ったメインダイヤル、スモールセコンド、独自開発のデイト表示「アウトサイズデイト」、パワーリザーブ・インジケーターなど、全ての表示を一切重ねず、完璧な黄金比に基づいたバランスでレイアウトされているのが、このタイムピースの最大の特徴となっています。
「ダトグラフ」プラチナ
機械式クロノグラフの模範とされる「ダトグラフ」。
アウトサイズデイトをはじめ、クロノグラフのフライバック、特許技術であるプレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンターなどの機能を備えています。
アウトサイズデイトと2つのインダイヤルが、芸術的ともいえる完璧な位置にレイアウトされているほか、裏ぶたはシースルーバックのため、精巧なムーブメントを鑑賞できるのも魅力となっています。
2012年に「ダトグラフ アップ/ダウン」という名称にリニューアルし、ゼンマイ巻き上げのパワーリザーブ表示機能が追加されました。
「ランゲマティック・パーペチュアル」プラチナ
このモデルは、時計界の中で最も複雑な技術といわれている「パーペチュアルカレンダー（永久カレンダー）機構」と、リューズを引くと秒針がゼロにリセットされる特許技術「キャリバー.L922.1 SAX-0-MAT」を搭載した、世界初の機械式時計です。
パーペチュアルカレンダー（永久カレンダー）機構とは、正しい日付、曜日、月を自動的に表示する機能のことで、日数の異なる月やうるう年にも対応しています。
3時、9時位置にはパーペチュアルカレンダー、6時位置には月の満ち欠けを表すムーンフェイズ、12時位置にはアウトサイズデイトが表示されており、機能性、操作性、デザイン性など、全てにおいてハイレベル。
ケースには最高級素材プラチナ・PT950が使用されています。
「リヒャルト・ランゲ」ホワイトゴールド
19世紀から20世紀にかけて製作された、科学研究用デッキウォッチの伝統を受け継ぎ、
高い視認性と高精度にこだわって仕立てられたモデルです。
ムーブメントが紡ぐ6振動/秒に合わせて6等分されたセコンドトラック上を、ブルースチール製の鋭い秒針が寸分の狂いなくスイープしていく様を見ているだけでも魅了されてしまいます。
自社製のヒゲゼンマイとヒゲ留め、片振り調整機構や可変慣性テンプなど、A.ランゲ＆ゾーネのコレクションの中でも、精度へのこだわりが詰まった究極のタイムピースといえるでしょう。
「ツァイトヴェルク」ピンクゴールド
2009年に発表された、メゾン初のデジタル式の時分表示機能を備えるコレクションです。
9時位置では時、3時位置では分を数字で表示、さらに12時位置にはパワーリザーブ、6時位置にスモールセコンドを備えています。
この時計に搭載されているキャリバー「L043.1」は、テンプの振動によって時間を刻む傍らで、1分ごとに瞬間的にエネルギーを放出し、ミニッツディスクを進め、再びエネルギーを蓄えるという特殊な構造を持っています。
また、最も特徴的なのは、ダイヤルに組み込まれているタイムブリッジ。
この部品は、ムーブメントの一部であると同時に、全ての時刻表示を1つにまとめるフレームの役割も果たしています。
おわりに
今回は、世界5大時計ブランドの1つである、A.ランゲ＆ゾーネの傑作たちをご紹介しました。
世界最高峰の時計ブランドとして君臨し続けるA.ランゲ＆ゾーネ。
独自のオリジナリティーあふれる文字盤のレイアウトデザインや、特殊機構を採用した繊細な機能を採用するなど、「唯一無二」という言葉がぴったりの高級メゾンといえるでしょう。
